ウクライナ南部で無人機による攻撃 大規模な停電が発生

軍事侵攻を続けるロシアがウクライナ各地でエネルギー関連施設への大規模な攻撃を繰り返す中、10日にも南部オデーサ州で無人機による攻撃があり、地元当局は大規模な停電が起きていると明らかにしました。

ウクライナの各地では、ロシア軍による発電所などを標的にした大規模な攻撃が繰り返され、冬場の厳しい寒さの中、深刻な電力不足が続いています。

ウクライナ国営の電力会社「ウクルエネルゴ」のトップは9日、記者団に「ことし10月以降、エネルギー関連のインフラに1000発以上のミサイルや無人機が撃ち込まれた」と述べ、復旧作業を急いでいるとしています。

南部オデーサ州の知事がSNSに投稿したところによりますと、10日も州内のエネルギー関連施設が無人機による攻撃を受け、オデーサや周辺地域でほぼすべての電力の供給が途絶えているということです。

また、南部ヘルソン州でもロシア軍による砲撃が繰り返されていて、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は10日、砲撃で病院などが破壊され、2人が死亡したことを明らかにしました。

一方、イギリスの公共放送BBCは9日、ロシア語版のサイトで、ウクライナへの侵攻に参加して死亡したロシアの兵士およそ1万人の名前を特定したと伝えました。

公にされている死者の名前をもとに数え上げたということで、このうちおよそ400人は、プーチン政権が踏み切った予備役の動員で招集された兵士だとしています。

その上で、実際の死者数は2万人を超え、けが人や行方不明者もあわせると、ロシア側の人的損失は9万人に上るという推計を示しました。

ロシアで公表されている兵士の死者数はことし9月下旬に国防省が発表した5937人が最後で、実際はそれを大幅に上回る可能性が改めて指摘されました。