ボール拾おうと川に転落 球児死亡事故で県に賠償命じる 石川

5年前、石川県の県立高校の野球部員が、練習試合中に近くの川に落ちたボールを拾おうとして転落し、死亡した事故をめぐる裁判で、金沢地方裁判所は教員が適切な指導をしていなかったと判断し、石川県に対して2300万円余りを遺族に賠償するよう命じました。

5年前、石川県立金沢西高校の1年生の野球部員だった松平航汰さん(当時15歳)が練習試合中、グラウンドの外に飛び出して近くの川に落ちたボールを網で拾いに行った際、足を滑らせて転落し亡くなりました。

松平さんの両親は「以前にも川に転落した部員がいたのに、教員が安全なボールの拾い方などの適切な指導を怠った」などと主張して、石川県に5400万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしていました。

判決で金沢地方裁判所の小川弘持裁判長は「川からボールを回収する際、ガードレールを越えないよう適切な指導をしたとはいえず、生徒への注意義務を尽くしていれば事故を回避できた」と指摘し、学校側に事故の責任があると判断しました。

一方「いかなる場合でも必ずボールを回収するよう指示していたわけではなく、生徒にも一定の落ち度がある」と述べて学校側の過失を相殺し、2300万円余りの賠償を石川県に命じました。

生徒にも一定の落ち度との指摘 父親「率直に言って残念」

判決のあと、会見を開いた父親の松平忠雄さんは「学校が部員への注意義務を怠っていた部分については自分たちの主張が認められ納得している」とした一方で、亡くなった航汰さんにも一定の落ち度があると指摘された点について「率直に言って残念です。私たちの主張が全面的に認められると思っていたが、息子の力になれず、謝るしかない」と述べました。

控訴するかどうかは、今後、家族や弁護士と相談して決めたいとしています。

県教育長「内容精査し適切に対応」

判決について石川県教育委員会の北野喜樹教育長は「今後、内容を精査し弁護士とも相談のうえ適切に対応していく」とコメントしています。