新たな変異ウイルスに対する飲み薬効果確認 東大研究グループ

新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、国内でも検出される割合が増えてきている「BQ.1.1」などの新たな変異ウイルスに対して、飲み薬の効果が確認できたとする実験結果を東京大学の研究グループが発表しました。

この研究は東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループが行い、医学雑誌の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。

研究グループは、患者からとった、免疫からより逃れやすいとされる「BQ.1.1」と別の変異ウイルス「XBB」の増殖を抑えられるか、さまざまな治療薬を使って実験しました。
その結果、飲み薬の「ラゲブリオ」と「パキロビッド」、それに点滴で投与する抗ウイルス薬「レムデシビル」では増殖を抑える効果は、当初広がった従来型のウイルスや「BA.5」に対してと同じ程度だったことが分かりました。

一方で、人工的に作った抗体を投与する抗体医薬は、いずれも効果が著しく下がっていたとしています。

現在も感染の主流は「BA.5」ですが、「BQ.1.1」が検出される割合は東京都で先月中旬までの1週間で7%となるなど、新たな変異ウイルスが増えてきています。

河岡特任教授は「抗ウイルス薬が有効であるというのはとてもいいニュースだと思う」と話しています。