国際

プーチン大統領“核戦争脅威高まる” 軍事侵攻の長期化を示唆

ロシアのプーチン大統領は、核戦争の脅威が高まっているという認識を示し、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米をけん制しました。一方、ウクライナへの軍事侵攻をめぐっては「長いプロセスになるだろう」と述べ、さらなる長期化を示唆しました。
ロシアのプーチン大統領は7日、大統領の諮問機関の委員とおよそ2時間半にわたってオンラインで会議を開き、この中で委員の1人が「ロシアの多くの人々が、世界で核戦争の脅威が現実味を帯びてきていると懸念している」と訴えました。

これに対して、プーチン大統領は「核戦争の脅威はたしかに高まっている」と述べ、アメリカの核兵器がヨーロッパに大量に配備されていると批判しながら、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米をけん制しました。

そのうえで「核兵器がどのようなものかは分かっている。これは争いを拡大させるものではなく、抑止力のためだ」と主張しました。

これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「欧米のウクライナ支援を弱体化させようという情報戦の一環だ」という見方を示しました。

一方、ウクライナ侵攻をめぐってプーチン大統領は「長いプロセスになるだろう」と述べ、さらなる長期化を示唆しました。

そのうえで「新しい領土ができたことはロシアにとって意味のある結果だ」と述べ、ウクライナ東部と南部の4州の一方的な併合を成果だと主張しながら、軍事侵攻の正当性を国民に向けてアピールした形です。

プーチン大統領は、ウクライナ南部に面するアゾフ海を例に挙げて「ピョートル大帝もアゾフ海に進出しようと戦った」と、みずからを帝政ロシア時代の皇帝と重ね合わせるような発言もしていて、「戦争研究所」は「プーチン氏の現在の目標が帝国主義的なものだと明確に位置づけられる発言だ」と指摘しています。

そして「攻撃的な作戦を一時的にでも停止することによって、国内の勢いを失うリスクを冒すつもりはないようだ」として、プーチン政権が停戦協議に向かう可能性は低いと分析しています。

官房長官「引き続き状況を注視」

松野官房長官は記者会見で「エスカレーションの懸念も含め今後の戦局については、さまざまな情報や見解があり、見通しなどを予断を持って答えるのは差し控えたい。引き続き状況を注視する」と述べました。

米NSC元高官 “プーチン氏 欧米に対し心理戦”

ロシアのプーチン大統領がたびたび核兵器に言及することについて、アメリカのNSC=国家安全保障会議の元高官で世界的に著名なロシア研究者のフィオナ・ヒル氏は7日、ニューヨーク大学で行った講演の中で「プーチン氏は核の脅威で人々を怖がらせることの心理的な価値を理解している」と述べ、欧米に対し心理戦を仕掛けているとの見方を示しました。

そのうえで「欧米の人々に対し、ウクライナでの戦争が核戦争や第3次世界大戦につながるという意識を与えなければ、欧米がウクライナへの支援を撤回する可能性は一段と低くなる」と述べ、核の脅威という心理的な圧力を強めることで、欧米による支援態勢を弱体化させるのがプーチン氏のねらいだとの分析を示しました。

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