“富裕層”への課税強化検討 課税対象の所得水準めぐり調整へ

来年度の税制改正に向けた議論が進む中、政府・与党は、株や土地など、資産による所得が多い富裕層に対する課税の強化を検討する方針です。
課税強化の対象となる所得の水準をどこにするかをめぐって、与党内で調整が進められる見込みです。

所得税は給与などには累進課税が適用されているのに対して、株式や土地など資産の売却益については、原則として税率が一律となっていることから、資産所得の多い富裕層ほど優遇され、統計上、1億円の所得を境に税の負担率が下がるいわゆる「1億円の壁」という問題が指摘されています。

こうした状況を踏まえ、政府・与党は、経済力のある人には応分の負担をしてもらう必要があるとして、来年度の税制改正に向けた議論の中で、給与所得と資産所得をあわせた総所得が著しく高額な場合に、一定の税率をかけて課税する新たな仕組みを検討する方針です。

対象となる総所得の水準については、与党内で5億円や10億円など複数の意見が出ていて、今月3日の自民党の税制調査会の幹部会合でも議論されました。

国税庁によりますと、おととしの総所得が5億円を超えた人は1600人程度、このうち10億円を超えた人は600人余りとなっていて、今後、課税対象となる水準について調整が進められる見込みです。