【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ大統領府顧問「他国に何か発射すれば発射地に戻る」

ロシアの空軍基地で5日、爆発が相次ぐ中、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は5日の夕方、ツイッターに、「地球が丸いことは、ガリレオによって発見された。しかし、クレムリンでは天文学を研究していないのが残念だ」などとしたうえで、「他国の空域に何かを発射すれば、遅かれ早かれ飛行体は発射地に戻ってくる」と投稿しています。

これについて、ウクライナのメディアは、「ウクライナ政府は、基本的にロシアの領土内への攻撃についてはコメントはしないが、攻撃の報告を受けたあとのポドリャク大統領府顧問の投稿によって間接的に確認されている」として、ウクライナ政府の関与を示唆する形で伝えています。

“無人機はソビエト時代の偵察用を改良か” ロシア複数メディア

無人機について、ロシアの複数のメディアは、ソビエト時代に製造された偵察用の無人機を改良したものだとする見方を伝えています。

ロシアの新聞「イズベスチヤ」は7日、「空軍基地はいずれも強力な防空システムが機能しているはずだが、当時、ウクライナの新兵器の攻撃を撃退する準備が万全だったとは思えない」と疑問を呈しています。

また、独立系のネットメディア「メドゥーザ」は7日、国境から600キロ以上離れた基地が攻撃されたとしたうえで「局面の大きな分岐点だ。ロシア軍はウクライナの前線と国境だけでなく、ロシア領の奥深くまで防空網の構築に対応する必要に迫られている」と伝えるなど、プーチン政権にとって打撃になるという見方も出ています。

ウクライナ高官「非常に成功し効果的だった」 米有力紙

ウクライナ政府は、ロシア国内の複数の空軍基地で起きた爆発などについて、これまでのところ公式な発表を出していませんが、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは6日、ウクライナ政府の高官が、3つの攻撃はすべてウクライナの無人機によるものだと認めたうえで、「非常に成功し、効果的だった」とコメントしたと伝えています。

ウクライナ兵器メーカー “航続距離1000キロの無人機開発中”

ウクライナ国営の兵器メーカーは今月4日、地元メディアに対し、最大航続距離1000キロの攻撃型無人機の開発が最終段階にあると明らかにしています。

アメリカのオースティン国防長官は「われわれは、ウクライナが自国の能力を高めることを妨げることはしない」と述べ、ウクライナが射程の長い攻撃兵器を独自に保有することについては、黙認する姿勢を示しました。

米国務長官「ウクライナにロシア領内の攻撃 促していない」

ウクライナとの国境から離れたロシア中部と南部の空軍基地では5日、爆発が相次ぎ、ロシア国防省は、ウクライナ側が無人機を使って、駐機中の軍用機に攻撃を仕掛けたと主張しました。

これについて、アメリカのブリンケン国務長官は6日、記者会見で、誰がどのように攻撃をしたのかは明らかにしませんでしたが、「われわれはウクライナに対し、ロシア領内への攻撃を促していないし、できるようにもしていない」と述べ、アメリカによるウクライナへの軍事支援は、あくまでも自衛のためだと主張するとともに、これ以上の紛争の激化は避けたいという立場を強調しました。

ロシア国内の空軍基地で爆発 「防空システムの信頼性に疑問」

ウクライナとの国境から離れたロシア中部と南部の空軍基地では5日、爆発が相次ぎ、ロシア国防省は、ウクライナ側が無人機を使って、駐機中の軍用機に攻撃を仕掛けたと主張しました。

この基地はウクライナへの攻撃にも関わっているとみられ、ロシアの「独立新聞」は6日付けの記事で「ウクライナの無人機による攻撃だとすれば、防空システムの信頼性に疑問が生じることになる」と伝えるなど、ロシア国内でも、ロシア軍にとって痛手になるという見方が出ています。

さらに6日には、ウクライナと国境を接するロシア西部の飛行場でも火災が起きたと伝えられ、地元の州知事は、飛行場近くの石油施設が無人機による攻撃を受けたとしています。

プーチン大統領 急きょ対応を協議か

プーチン大統領は6日、安全保障会議を開きました。

会議について、ペスコフ報道官は「ウクライナの政権は破壊行為を継続し、これは危険な要因だ。こうしたことを考慮し必要な措置がとられている」と述べました。

プーチン大統領が、一連の爆発を受けて急きょ政権幹部と対応を協議したことを示唆した形で、政権として事態を深刻に受け止めていることをうかがわせています。

ゼレンスキー大統領 キーウの宮殿でも兵士たちを激励

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍の創設記念日である6日、東部ドネツク州などに入ったあと首都キーウの宮殿でも兵士たちを前に激励しました。

このなかで、ゼレンスキー大統領は「私たちの土地に占領者がいなくなり、すべての国民が再び自由になる日のために、何千ものウクライナ人が命をささげてきた。兵士たちは私たちの自由、独立、子どもたちのために戦ってくれている」と述べ、ねぎらいました。

そして、ロシアからウクライナ側の捕虜60人を新たに取り戻したことも明らかにし「私たちはこれからも国民を取り戻し、すべての人を解放する」と改めて訴えました。

ゼレンスキー大統領 医療施設を訪問

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ウクライナ軍の創設記念日に合わせて、東部ハルキウ州の医療施設を訪れ負傷した兵士を見舞いました。

配信された映像には、ゼレンスキー大統領が、病床にいる負傷した兵士と握手をしたり、一緒に写真を撮ったりする様子が確認できます。

ウクライナ大統領府によりますとゼレンスキー大統領は、負傷者の状態や治療の状況について説明を受け、「私たちの国とその独立や領土の一体性、国民の自由と暮らしを守る英雄的な行為に感謝しています。1日も早い回復を願っています」と述べたということです。

ゼレンスキー大統領 東部の前線近くへ 複数の動画公開

ウクライナ大統領府は6日、ゼレンスキー大統領が、ウクライナ軍が創設されたことを記念する「ウクライナ軍の日」に合わせて東部のドネツク州に入ったとする複数の動画を公開しました。

この中でゼレンスキー大統領は、前線近くの要衝、スロビャンシクで自撮りをしながら「私は毎年この日を最前線で兵士とともに迎える。戦場は拡大し、戦いは厳しくなり、代償は高くなっている。あなたたちが無敵だからこそ、私たちは独立している。勇気に感謝するとともに誇りに思う」と述べました。
また、別の場所で兵士を表彰する様子や、ともに黙とうする様子も公開されゼレンスキー大統領は「東部の状況が最も厳しいだけにわが軍の中でも東部の部隊が最強だと確信している。あなたたちの忍耐力、そして強さに心から感謝する」と激励しました。

ゼレンスキー大統領としては、ロシア軍との戦闘が最も激しいとされる東部にみずから入り、兵士と交流することで士気を高めることがねらいとみられます。

ロシア ペスコフ報道官「ドネツク州などはロシアの一部」

ドネツク州を含む東部ドンバス地域をめぐっては、ロシア大統領府のペスコフ報道官が3日、「ロシアの一部だ」と改めて主張し、プーチン大統領がいずれ現地を訪れるという見通しを示していて、ゼレンスキー大統領は、機先を制して現地に入り、ウクライナの領土であることを強調した形です。