
小笠原「海徳海山」“今後 噴火発生の可能性” 火山噴火予知連
周辺で海水の色が変わる現象が確認されている小笠原諸島の海底火山、「海徳海山」について専門家などでつくる火山噴火予知連絡会は、「火山活動の活発化を示すとみられ、今後、噴火が発生する可能性がある」という見解をまとめました。
火山噴火予知連絡会の定例の会合が6日、気象庁で開かれ、全国の火山活動について検討しました。
小笠原諸島の硫黄島の北にある海底火山「海徳海山」付近では、ことし8月から海水の色が変わる「変色水」が確認され、その後、その範囲が広がっています。
こうした変色水は、火山活動の活発化を示すと考えられるとして、「今後、噴火が発生する可能性があるため、火山活動の推移に注意が必要だ」という見解をまとめました。
また、小笠原諸島の「硫黄島」では、7月上旬から8月上旬にかけてと10月上旬に、島の沖合で小規模な噴火が相次ぎました。
これらの噴火でマグマの噴出が初めて観測され、地下からの新しいマグマと推定されるほか地震活動などもやや活発な状態が続いているということです。
このため、「火山活動が高まる可能性もあり、今後の活動の推移に注意が必要だ」という見解をまとめました。
火山噴火予知連絡会の会長で九州大学の清水洋名誉教授は「海徳海山でもっと激しい噴火活動となった場合は近くを航行する船に被害が及ぶようなことも起こりうるため注意をしていく必要がある」と話しています。