“ウクライナ侵攻めぐりSNSで偽情報 大量拡散”国連事務次長

国連でコミュニケーションを担当するフレミング事務次長がNHKの取材に応じ、ウクライナ侵攻をめぐり「SNSで戦争の責任などについての偽の情報が大量に拡散し、各国の姿勢や世論に悪影響を及ぼしている」と、強い危機感を示しました。

日本を訪れているフレミング事務次長は6日、都内でNHKのインタビューに応じました。

この中で、ロシアによるウクライナ侵攻について「戦争に偽情報はつきものだが、今回はSNSによってすさまじい速さで世界中に広がっている。戦争の責任について間違った情報があふれている」と述べ、SNSで大量の偽の情報が拡散していることに強い危機感を示しました。

また「ウクライナから周辺国に避難した人たちが、食料価格の高騰や家族の分断を引き起こしているといった、明らかにおかしな情報が出回っている」として、支援活動に支障が出るおそれもあると指摘しました。

さらに「言論の自由」の実現を掲げるイーロン・マスク氏がツイッター社を買収し、停止されていたアカウントなどを復活させていることについて「偽の情報やヘイトスピーチ、人種差別についての投稿が急増している。とりわけ発展途上国などでは、危険な情報がそのまま拡散し、人々の元に届いてしまう」と述べ、暴力や紛争にも発展しかねないと懸念を示しました。

フレミング事務次長は国連として偽の情報に対抗するため、ネット上で若い世代に受け入れられやすい情報の発信や、SNSで影響力のある「インフルエンサー」を通じた各国の言語での発信などに、力を入れていくとしています。