政府 国家安全保障戦略などに「能動的サイバー防御」を明記へ

政府は、年末までに改定する「国家安全保障戦略」などに、新たにサイバー攻撃に対して先手を打って対抗措置を取る「能動的サイバー防御」を明記するとともに、サイバー防衛に従事する人員を2万人規模に拡充することを盛り込む方針です。

政府は5日に開かれた自民党の安全保障関連の会合に年末までに改定する「国家安全保障戦略」など、3つの文書に盛り込む項目の案を示しました。

このうち「国家安全保障戦略」には、サイバー攻撃に対して被害を受けてからではなく、先手を打って対抗措置を取る「能動的サイバー防御」を新たに明記するとしています。

また、経済安全保障の考え方として、先端技術の流出を防ぐため、研究者などの信頼性を確認する「セキュリティークリアランス」と呼ばれる制度の導入も盛り込む方向で検討しています。

このほか、海上保安能力の強化や、自衛隊や海上保安庁が利用する空港や港湾などの整備も盛り込むとしています。

また、「防衛計画の大綱」に代わって新たに策定する「国家防衛戦略」には、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」の能力やミサイル防衛の能力を向上させ、5年後までに日本に侵攻しようとする相手を阻止できる防衛力を構築するとしています。

一方、「中期防衛力整備計画」に代わって新たに策定する「防衛力整備計画」では、サイバー防衛に従事する人員について、専門部隊を4000人に増やすなど、合わせて2万人規模に拡充するとしています。

また陸・海・空の自衛隊を一元的に指揮できる体制や、「スタンド・オフ・ミサイル」を運用する部隊を作ることも検討しています。

このほか、沖縄の防衛態勢をさらに強化するため、陸上自衛隊の部隊を増強することやF35戦闘機の取得を加速することなどを盛り込むとしています。