ユニークさを競う「お寺の掲示板」受賞作品が決定

寺の掲示板に書かれたことばのユニークさなどを競うお寺の掲示板大賞のことしの受賞作品が5日、発表されました。

大賞にはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、小学生の男子児童が10歳の時に書いた「武器を捨て 数珠を持とう」が選ばれました。

「輝け!お寺の掲示板大賞」

寺の掲示板は「掲示伝道」と呼ばれ、さまざまなことばを自由に書いて広く教えを伝える場とされ、100年以上前からあったとされています。

「輝け!お寺の掲示板大賞」は仏教伝道協会が4年前(2018年)から開催していて、ことしはおよそ3か月間の募集期間に過去最多となる4093作品の応募がありました。

小学生が書いた作品が大賞に

大賞には京都市にある龍岸寺、池口龍法住職の長男・縁生くん(11)が10歳の時に書いた「武器を捨て 数珠を持とう」が選ばれました。

ことばとともに兵士と戦車が武器を捨てて数珠を持つ様子が表現されています。
池口住職は「軍事侵攻が始まった直後の3月ごろに書きました。生まれてきた人間として手を何に使ってもいいけれど、武器を持ったりけんかになったりするよりも、お互いを大事に思って慈しむ気持ちで生きましょうというメッセージを込めました」と説明しました。

池口住職は縁生くんにアドバイスを送りながら掲示板を書く様子を見守ったということです。

毒言吐いたら… 戒めのことばも

また、本賞のうちの1つに広島市にある妙慶院の「毒言吐いたら自分も浴びる」が選ばれました。
加用雅信住職は「よくないことばは口にした瞬間に自分も浴びているということを今一度、考えてほしいという戒めを込めて書きました。

匿名性の中で悪いことを言ったり、書いたりするのは『みんなこう言ってるよ』といううわさ話のようなものです。

受け取った相手も、自分も気持ちがいいかよくないかを考えてほしい」と話していました。
このほか東京・墨田区にある本明寺の「私は今、多くの死者の上に立っているそのことを忘れてはいけない」
大分県宇佐市にある浄泉寺の「命の重さ 平和」など、ロシアによるウクライナ侵攻に関連した作品の受賞が複数見られました。

主な受賞作品は

修業がたらん
【雲西寺/大分県中津市】
歯車1つ外れれば止まってしまう時計
私1人休んでも止まらない社会
だから私の役目は歯車じゃないんだな
【超覚寺/広島市】
かんしゃくのくの字をすてて
日をくらす
【徳源院/東京・文京区】
意地の上にも三年
【円成寺/松江市】
今日だけですよ
【長稱寺/仙台市】