
EUエネルギー担当高官 “来年まで厳しいエネルギー危機続く”
EU=ヨーロッパ連合でエネルギー政策を担当する高官がNHKのインタビューに応じ、ロシアが天然ガスの供給を大幅に削減していることについてLNG=液化天然ガスによる追加の調達などでしのいでいるものの、来年まで厳しいエネルギー危機が続くという認識を示しました。
EUでエネルギー政策を担当するシムソン委員は、ロシアがパイプラインによる天然ガスの供給を大幅に削減していることについて「ロシアはヨーロッパにエネルギー戦争をしかけている」とロシアを批判しました。
そのうえでシムソン委員は、「パイプラインがつながっているノルウェーなどが天然ガスを増産していることに加え、国際市場を通じてLNGによる追加調達やガスの地下貯蔵を行っている」などと述べて、何とかしのいでいる状況を説明しました。
ただ、調達に余裕はなく、来年まで厳しいエネルギー危機が続くという認識を示しました。
シムソン委員はエネルギー危機で水素への期待が高まっているとして、「長距離の移動や工場などでも使うことができ、脱炭素につながる。風力発電など再生可能エネルギーから水素を作り出すいわゆるグリーン水素は可能性が大きく、2030年までに水素は化石燃料と競争できる価格になるとみている」と話し、日本などと技術的に協力しながら水素の活用を進める考えを示しました。