中国副首相 2日続けて「ゼロコロナ」継続言及せず 対策緩和か

中国政府で新型コロナウイルス政策を担当する副首相は、保健当局の会議で2日続けて「ゼロコロナ」政策の継続について言及せず、感染対策の適正化をさらに進める考えを示しました。これを受けて、中国政府が今後感染対策を緩和するという見方が広がっていて、具体的な動きが注目されます。

国営の新華社通信によりますと、中国政府で新型コロナウイルス政策を担当する孫春蘭副首相は、先月30日に続いて今月1日も保健当局の会議に出席しました。

この中で孫副首相は、これまで繰り返し強調してきた「ゼロコロナ」政策の継続について、2日連続で言及せず、感染対策の適正化をさらに進める考えを示しました。

これを受けて、中国政府が今後、感染対策を緩和するという見方が広がっていて、具体的な動きが注目されます。

こうした中、大手自動車メーカーのホンダは、今月2日までに、先月28日から稼働を一時停止していた内陸部の湖北省 武漢にあるすべての工場の操業を再開したと明らかにしました。

この工場は、感染対策で周辺が封鎖され従業員が出社できなくなっていましたが、ホンダは稼働に必要な人員が確保できたとしています。

一方、感染者数が高止まりしている首都 北京の中心部では、地元政府が企業に在宅勤務を求めたり、飲食店に店内での飲食の提供をとりやめるよう求めたりした措置が撤回されず、続いたままになっています。

北京 バスと地下鉄 PCR検査の陰性証明不要に

北京市政府は、2日、バスと地下鉄の運営会社に対し、乗客が、48時間以内のPCR検査の陰性証明を持っていなくても、12月5日以降は、乗車を拒否してはならないと発表しました。

北京市内では、これまでバスや地下鉄の乗客に陰性証明の提示を厳格に求めており、感染対策が緩和されることになります。

そのうえで、バスや地下鉄のパトロールを強化し、乗客にマスクの着用を促すとしています。

松野官房長官「引き続き邦人保護に万全を期す」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「中国における防疫措置が、中国経済や市民活動などに与える影響について強い関心を持って注視している」と述べました。

また、中国の「ゼロコロナ」政策に対する抗議活動について「現時点までに在留邦人や日本企業に危害が及んでいるとの報告は受けていない。政府としては、在外公館も含め関連の情報収集や分析に努めるとともに、引き続き邦人保護に万全を期していく」と述べました。