「反撃能力」の保有 自公きょう合意へ 安保政策の大きな転換

敵のミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」の保有について、自民・公明両党は2日の実務者協議で合意する見通しです。これまで政策判断として保有しないとしてきた能力を持つことになり、戦後日本の安全保障政策の大きな転換となります。

「反撃能力」をめぐり、公明党は1日に外交安全保障調査会を開いて党内の意見集約を図り、党として「反撃能力」の保有を了承し、与党協議の実務者に一任することを決めました。

自民党がすでに「反撃能力」は必要だとしていることから、自民・公明両党は、2日の実務者協議で「反撃能力」の保有で合意する見通しです。

「反撃能力」は「敵基地攻撃能力」とも呼ばれ、政府は法理論上、自衛権の範囲内に含まれるとしながらも、政策判断として保有しないとしてきたことから、防衛力の抜本的な強化に向けた与党協議の焦点になっていました。

両党の合意によって、政府がこうした能力を持つことになり、戦後日本の安全保障政策の大きな転換となります。

政府は、自民・公明両党の合意を踏まえ、年末までに改定する国家安全保障戦略など3つの文書に「反撃能力」を盛り込みたい考えで、これまでの政府・与党内の調整で反撃能力を行使できるのは必要最小限度の実力行使にとどめるなどとした自衛権行使の3要件に合致した場合とし、行使のタイミングは通常の自衛権の行使と同様に他国が武力攻撃に着手した時点とすることなどが検討されています。

一方、政府は来年度から5年間の防衛費の総額について、40兆円から43兆円の間で検討を進めています。

来年度までの5年間となっている今の「中期防衛力整備計画」の1.5倍程度にあたる規模で、与党との間で詰めの調整を進めることにしています。