東京都 コロナ医療提供体制警戒レベル引き上げ 上から2番目に

東京都のモニタリング会議が開かれ、新型コロナの専用病床の使用率が増えていることなどから、医療提供体制の警戒レベルが1段引き上げられました。

都は12月1日、都内の感染状況と医療提供体制を専門家が分析・評価するモニタリング会議を開きました。

この中で、11月30日時点で、新型コロナの専用病床の使用率が40.3%と前の週より4.7ポイント上昇したことや、救急搬送が困難なケースが増えていることが報告されました。

こうした状況を受けて専門家は4段階ある医療提供体制の警戒レベルを1段引き上げて上から2番目とし、「今後の患者数の増加を見据え、外来を含めた医療提供体制をさらに強化する必要がある」と指摘しました。

一方、感染状況は上から2番目を維持したものの、新規感染者数の7日間平均は1万1047人となって、8月31日以来、1万人を上回りました。
また、5週連続で前週比が100%を超えていて、このままのペースで増えれば一日の感染者数が、
▽2週間後には1万5000人、
▽4週間後には2万1000人を上回るとの予測が示されました。

専門家は「年末年始に向けて、イベントや会食など、人と人との接触機会が増えると感染が急拡大する可能性もあるため、今後の動向に十分な警戒が必要だ」と注意を呼びかけました。

また、会議では、東京都医学総合研究所がワクチンと、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値の関係について調査した結果が報告されました。

それによりますと、4回目の接種から3か月たつと中和抗体の値が徐々に減り始めるものの、5回目の接種で再び同じ程度に増えたということで、東京感染症対策センターの賀来満夫所長は「高齢者など重症化リスクが高い人の5回目接種を早期に進めていくことが重要だ」と指摘しました。

小池知事「都民の命と健康を戦略的に守る」

東京都の小池知事は新型コロナの対策本部会議のあと記者団に対し「医療提供体制の対応は先手先手で整えており、都民の命と健康を戦略的に守っていく。年末年始にすべてを止めるのではなく、アクティブにいろいろなことに気をつけながら進めていくことに協力をお願いしたい」と述べました。