ワールドカップ “ビルドアップ”にゴールキーパー関与が増加

サッカーのワールドカップカタール大会に出場する32チームすべてが1次リーグの第2戦を終えたことを受けて、FIFA=国際サッカー連盟の技術研究グループが記者会見し、後方からパスをつなぎ、相手陣内にボールを運ぶビルドアップにゴールキーパーが関わる割合が増えたことなど今大会の特徴を明らかにしました。

FIFAの技術研究グループは30日にドーハ市内で記者会見し、今大会の1次リーグの第2戦がすべて終わった時点での特徴などを発表しました。

この中でグループのメンバーが「4年前のロシア大会と比べてゴールキーパーがよりゴールラインから離れた高い位置でポジションを取るようになった」と分析の結果を示し、「ボールを前方に大きく蹴り出すよりも後方からパスをつなぎ、相手陣内にボールを運ぶビルドアップに関わる割合が増えた」という特徴を説明しました。

こうした傾向を顕著に示している選手として日本と1日の1次リーグ第3戦で対戦するスペインのウナイ・シモン選手などの名前があげられ、シモン選手については「フィールドプレーヤーのようだ」と称賛の声もあがりました。

また、ピッチを3分割した時、相手のゴールに近い3分の1のエリア、「ファイナルサード」と呼ばれるエリアで攻撃する機会が前回大会と比べて少なくなり、特に中央のエリアでその傾向が顕著に見られると指摘し、理由については「中央のディフェンダーのブロックが堅くなった」などと話しました。

このほか前回大会と比べて選手どうしの横の距離が広がっていてサイドを活用してのプレーが増えていることなどの分析結果も示されました。

カタール大会の技術研究グループはブラジル大会で日本代表の監督を務めたザッケローニさんなどで構成され、すべての試合内容を分析したうえで大会終了後には「テクニカルリポート」としてまとめることにしています。