薗浦議員は30日午後、議員会館の事務所で記者団の取材に応じ、政治資金パーティーの収支が収支報告書に記載されていなかったと指摘が出ていることについて「ずさんな処理だった」と謝罪したうえで、秘書から報告書に収入を記載しないという報告は受けていないと説明しました。
この中で薗浦氏は、「ずさんな処理が明らかになり、お騒がせしていることをまずおわびしたい。私自身のチェックが不十分であり、事務所として確認できる体制になっていなかったことは、私にも責任がある」と述べ、謝罪しました。
そのうえで「今後、専門家に依頼して、過去にさかのぼって収支報告書を精査し、必要な対応をとりたい」と述べました。
また、記者団から「事前に秘書から『報告書に収入を記載しない』という報告を受けていたか」と質問されたのに対し、「そういうことはない。いわゆる『過少申告』をしているという認識は私にはなかった」と述べ、否定しました。
そして「毎年、収支報告書を提出する時に『ことしの収支報告はこれです』と2、3分くらいの報告を受けて、『しかるべくよろしく』としていたのが、対応のすべてだった」と説明しました。
また、2019年の政治資金パーティーの収支が収支報告書に記載されていなかった理由について、「昼食会みたいな形で実施したので『パーティーと認識していなかった』と報告書を修正する時に聞いた」と述べました。
そして「裏金や不正ということではないのか」と問われたのに対し、「私がいま把握しているかぎりでは 流用などとは聞いていない」と述べました。
自民 薗浦衆院議員の秘書 “約4000万円を収支報告書に不記載”
自民党の薗浦健太郎衆議院議員の公設第1秘書が、東京地検特捜部の任意の調べに対し「複数の政治資金パーティーの収入およそ4000万円を収支報告書に記載していなかった」などと説明していることが関係者への取材で分かりました。
特捜部には、薗浦氏の政治団体が2019年の政治資金パーティーの収支を収支報告書に記載していない疑いがあるとする告発状が提出されていて、事実関係を慎重に調べているものとみられます。
自民党の薗浦健太郎衆議院議員の資金管理団体「新時代政経研究会」は、2019年に開いた政治資金パーティーの収支合わせて200万円余りを、政治資金収支報告書に記載していなかったとして収支報告書を訂正し、これについて去年9月、大学教授が政治資金規正法違反の疑いで、薗浦氏やこの団体の会計責任者を務める公設第1秘書の告発状を東京地検特捜部に提出しています。
その後、特捜部がこの秘書から任意で事情を聴いたところ、「複数のパーティーについて、総額4000万円の収入を報告書に記載していなかった」などと説明していることが関係者への取材でわかりました。
この秘書は、「報告書に収入を記載しないことは事前に薗浦議員にも報告していた」と説明しているということです。
特捜部は、ほかの事務所関係者などからも事情を聴いて、薗浦氏が把握していたかどうかを含め、収支報告書が作成されるまでの経緯を慎重に調べているものとみられます。
薗浦氏は、千葉5区選出で2005年の衆議院選挙で初当選し、安倍内閣で外務副大臣や総理大臣補佐官などを歴任しました。
現在は、衆議院法務委員会の筆頭理事を務めています。
薗浦議員「ずさんな処理だった」と謝罪
岸田首相「説明責任を果たしてもらわなければならない」
岸田総理大臣は参議院予算委員会で、「直接の報告は受けていないが、説明責任を果たしてもらわなければならないと強く思っている。まずは実態把握をしなければならず、党に対して指示を出したい」と述べました。
松野官房長官「政府として答えることは差し控えたい」
松野官房長官は午後の記者会見で、「報道は承知している一方、事実関係については承知しておらず、個々の議員の活動に対して政府として答えることは差し控えたい」と述べました。
維新 藤田幹事長「ミスで済まされる額でない」
日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で、「ご自身でしっかりと精査して説明責任を果たすことが必要だ。政治資金パーティーの収支で4000万円もの記載漏れは、ミスで済まされる額ではない。仮に意図的であれば極めて犯罪性も高く、真実をつまびらかにすべきだ」と述べました。
公明 高木政調会長「しっかり説明するのが大前提」
公明党の高木政務調査会長は記者会見で、「まずは指摘された政治家が、しっかりと説明をするのが大前提だ。その中で、国民に理解をしてもらえるかどうかが、いちばん大きな課題なので、当事者には説明をしっかりしてもらいたい」と述べました。
共産 穀田国対委員長「議員の資格ない」
共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で、「告発されて地検の捜査ということになり、議員の資格がないと言わなければならない。政治とカネの問題が尽きず、根幹をただすことが求められている」と述べました。