大リーグ 大谷翔平 “最も活躍した指名打者” 2年連続で受賞

大リーグで今シーズン最も活躍した指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」が発表され、エンジェルスの大谷翔平選手が2年連続で受賞しました。ことしのシーズンオフに大谷選手が主要な個人賞を受賞するのは初めてです。

大リーグの最優秀指名打者賞にあたるエドガー・マルティネス賞は、各球団の担当記者などの投票で決まります。

大リーグ機構は28日、今シーズンのエドガー・マルティネス賞を発表し、エンジェルスの大谷翔平選手が受賞しました。

大谷選手は大リーグ5年目の今シーズン、ピッチャーとして登板した時以外は指名打者で出場して打率2割7分3厘、ホームラン34本、95打点をマークしました。

ことしのワールドシリーズを制したアストロズのアルバレス選手を抑え、ホームラン46本を打った昨シーズンに続いて2年連続での受賞となりました。

エドガー・マルティネス賞を2年連続で受賞するのは、2007年に当時レッドソックスで5年連続の受賞を果たしたデビッド・オルティーズさん以来で、大リーグ史上6人目です。

大谷選手は今シーズン終了後、MVP=最優秀選手をはじめとする主な個人賞では最終候補には選ばれるものの受賞はすべて逃していて、これが初めての受賞になりました。

受賞の背景

大リーグで「打撃のベストナイン」とも言われるシルバースラッガー賞のアメリカンリーグの指名打者部門では、打撃主要3部門でいずれも大谷選手を上回る成績を残したアストロズのアルバレス選手が大谷選手を抑えて受賞していました。

そうした中で今回、大谷選手がエドガー・マルティネス賞を受賞した背景には、指名打者としての出場数や成績が考慮されたと見られます。
打撃主要3部門の成績を比べると大谷選手が打率2割7分3厘、ホームラン34本、95打点だったのに対し、アルバレス選手は打率3割6厘、ホームラン37本、97打点と、いずれも上回りました。

しかし、指名打者として出場した試合数は大谷選手の153試合に対し、外野手としても起用されるアルバレス選手は77試合にとどまり、その間の成績は打率2割9分9厘、ホームラン19本、52打点でした。

各球団の監督やコーチの投票で選ばれるシルバースラッガー賞ではアルバレス選手が評価されましたが、記者などの投票で選ばれるエドガー・マルティネス賞では指名打者としての出場数や成績が考慮され、大谷選手の受賞につながったと見られています。

エドガー・マルティネス賞とは

「エドガー・マルティネス賞」はシーズンで最も活躍した指名打者に贈られる賞で、アメリカンリーグに指名打者制が導入された1973年に「最優秀指名打者賞」として始まりました。

この賞を当時最多の5回受賞していたマリナーズのエドガー・マルティネスさんが2004年に引退した際に、その功績に敬意を表して名称が「エドガー・マルティネス賞」に変更されました。

歴代最多の受賞はレッドソックスで活躍したデビッド・オルティーズさんの8回で、2003年からは5年連続で受賞しました。

新型コロナウイルスの影響でナショナルリーグにも特例で指名打者制が導入されたおととしは、ブレーブスのマーセル・オスーナ選手がナショナルリーグの選手として初めてエドガー・マルティネス賞を受賞しました。

今シーズンからはナショナルリーグでも指名打者制が正式に導入されましたが、この賞は両リーグを通じて1人が受賞することになっていて、アメリカンリーグのエンジェルスに所属する大谷選手が2年連続での受賞を果たしました。