アメリカとロシアの核軍縮協議が延期 米国務省が明らかに

ウクライナ情勢をめぐり対立が深まるアメリカとロシアは、今月29日から核軍縮条約に基づく協議を行う予定でしたが、アメリカ国務省は協議が延期されたことを明らかにしました。

ロシア外務省はことし8月、アメリカとの核軍縮条約「新START」に基づく関連施設への査察活動について、ウクライナ情勢をめぐるアメリカの制裁措置によってロシアの査察官が渡航することが難しくなったなどと主張し、一時的にアメリカ側の査察の受け入れを停止すると発表しました。

この問題をめぐり、ロシア外務省のリャプコフ外務次官は、査察の再開に向けたアメリカとロシアの協議がエジプトの首都カイロで今月29日から来月6日にかけて行われるという見通しを示していました。

しかし、アメリカ国務省の報道担当者は28日、NHKの取材に対し、ロシア側から協議を延期すると通知を受けたことを明らかにしました。

そのうえで「ロシア側は新しい日程を提案すると表明している。アメリカはできるかぎり早い日程で再調整する用意がある」と強調しています。

ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン政権が核戦力の使用も辞さない姿勢を示し各国から懸念があがる中、協議の枠組みは、核大国の米ロが対話を維持するチャンネルとして注目されています。