新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」医療機関への供給 本格的に開始

重症化リスクの低い患者も服用できる、新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」の、医療機関への供給が、28日から本格的にはじまりました。

塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」は、重症化リスクの低い患者も軽症段階から服用できるのが特徴で、今月22日に使用が緊急承認されました。

発熱外来がある埼玉県春日部市にあるクリニックには、26日に入荷していて、28日はミーティングで医師らが処方の方法や注意点について確認していました。

クリニックでは先月の中旬まで新型コロナウイルスの陽性者は一日20人程度でしたが、下旬以降に患者が急増していて、28日は46人の感染が確認され、このうち希望した5人の患者に「ゾコーバ」を処方したということです。
「あゆみクリニック」の藤川万規子院長は「これまで、若くて重症化リスクが低い患者さんからも、のどの痛みや、せきなどの症状があり、ウイルスを抑える薬を処方してほしいという声があがっていました。症状がどのくらい改善されるのかについての実績は少ないですが、大きな副反応の話がないので、期待して使ってみたいと思います」と話していました。

「ゾコーバ」について、厚生労働省は100万人分を購入する契約を塩野義製薬と締結していて、ファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」の処方実績があるおよそ2900の医療機関などへ、28日から本格的に供給を始め、順次、拡大していく予定です。