中国 「ゼロコロナ」抗議活動を取材中のBBC特派員が一時拘束

中国では、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策に対して、この週末、首都 北京や上海などで大規模な抗議活動が一斉に行われました。
厳しい言論統制が敷かれる中国で、こうした抗議活動が一斉に行われるのは、極めて異例で、上海では取材中の外国の特派員が一時拘束されました。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、「ゼロコロナ」政策のもと、行動制限などを伴う厳しい対策がとられていて、この週末、これに反発する人たちが、首都 北京や、最大の経済都市の上海、南部の広東省広州などで大規模な抗議活動を行いました。

このうち北京では、日本大使館などに近い中心部でも27日夜も大規模な抗議活動が行われ、集まった人たちは「自由がほしい」などと大きな声で訴えるとともに、抗議の意思を示すため白い紙を掲げていました。

また、上海でも大規模な抗議活動が行われ、抗議の声を上げる人々が、警察に取り押さえられていました。

抗議活動から一夜明けた現場では人の姿はまばらで、大きなバリケードが道路に沿って設置されていました。

こうした中、イギリスの公共放送BBCは27日、上海で抗議活動を取材していた特派員が一時、数時間にわたって拘束されたとする声明を発表しました。

BBCは声明で、特派員は警察官に殴られたり蹴られたりするなどの暴力をふるわれたとしていて、当局の対応を非難しています。

中国政府によりますと、27日に確認された新型コロナウイルスの感染者は合わせておよそ3万9000人となり、5日連続で過去最多を更新しました。

共産党の一党支配のもと、厳しい言論統制が敷かれる中国で、「ゼロコロナ」政策に対して大規模な抗議活動が各地で一斉に行われるのは、極めて異例で、中国政府が今後、こうした動きにどう対応するか注目されます。