ゼレンスキー大統領“ロシアが食料危機招いている”改めて非難

ウクライナのゼレンスキー大統領は、食料の安全保障に関する国際会議を開催し、ロシアが食料危機を招いていると改めて非難しました。そのうえでウクライナとしては、国際社会と協力してアフリカなどへの農産物の輸出を進める考えを強調しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領の呼びかけで首都キーウで26日開かれた国際会議には、およそ30の国や国際機関の代表がオンラインで参加したほか、ベルギーやポーランドなどの首脳が対面形式で出席しました。

このなかでゼレンスキー大統領は「ロシア軍がわれわれの食料の輸出を妨害し、世界を飢餓の瀬戸際に追いやっている」と述べ、改めてロシアを非難しました。

そのうえでゼレンスキー大統領は「来年の春の終わりまでに穀物を積んだ少なくとも60隻の船をエチオピアやスーダンなどに送る予定だ。少なくとも世界の500万人を飢餓の危機から防ぐことができる」と述べ、国際社会と協力してアフリカなどへの農産物の輸出を進める考えを強調しました。

ウクライナで26日は、90年前、当時のソビエトが引き起こしたとされる「ホロドモール」と呼ばれる大飢きんの犠牲者を追悼する日にあたります。

ゼレンスキー大統領としては、この日に合わせて食料の安全保障に関する国際会議を開くことで、改めてロシアを非難するとともに食料問題の解決に主体的に取り組むウクライナの姿勢を強調するねらいもあるとみられます。