台湾 統一地方選 与党敗北で蔡英文総統 党主席の辞任を表明

26日に投票が行われた台湾の統一地方選挙で与党・民進党が敗れ、蔡英文総統は自身が兼務してきた党のトップの主席を辞任する意向を表明しました。

焦点となったのは、合わせて22の市長選挙と知事選挙の勝敗です。

候補者の死去に伴って投票が延期された1つの市を除く21のポストのうち、選挙前に7つを占めていた与党・民進党は、離島の澎湖県を獲得した一方、桃園市など北部の3つの市を失いました。

台北市長奪還もならず、全体では5つの市長と知事のポストを得るにとどまりました。

今回の選挙では、民進党のトップの主席でもある蔡総統が「中国共産党大会のあとに行われる初めての選挙に全世界が注目している」と、対中関係を争点化しようとしたほか、事実上、政権の信任投票とも位置づけていましたが、有権者には受け入れられなかった形です。

蔡総統は26日夜に記者会見し「所期の成果を挙げられなかった。台湾人民の決定を謙虚に受け入れる。私がすべての責任をとらねばならず、ただちに主席を辞任する」と述べました。

総統の職にはとどまりますが、候補者の擁立を主導したため、党内での求心力は低下するとみられます。

一方、最大野党・国民党は台北市で勝利したほか、桃園市などを民進党から奪い返し、6つある直轄市の過半数獲得という目標を達成しました。

結果を受けて、与野党とも再来年の総統選挙の候補者選びに焦点が移っていくことになります。

台北市長選挙で国民党の蒋万安氏が勝利宣言

台湾の統一地方選挙のうち、台北市長選挙で国民党の蒋万安氏が勝利宣言をしました。

台北市長選挙には12人が立候補し、蒋万安氏と民進党の陳時中氏、無所属の黄珊珊氏による事実上の三つどもえとなりました。

開票は続いていますが、中央選挙委員会によりますと蒋氏がリードしていて、さきほど支持者を前に勝利宣言をしました。

一方、これに先立って陳氏と黄氏は敗北を認めました。

国民党にとっては8年ぶりの台北市長奪還となります。

蒋氏は初代総統・蒋介石のひ孫にあたり、今月10日まで日本の国会議員にあたる立法委員を務めていました。

選挙権の年齢 18歳以上への引き下げ成立せず

台湾では、26日の統一地方選挙と同時に、選挙権の年齢を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる憲法改正の是非を問う住民投票も行われましたが、賛成が有権者総数の過半数を下回り、成立しませんでした。

中国 政府報道官「結果は平和と安定を求める民意を反映」

今回の結果について、中国国営の新華社通信は26日夜、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官のコメントを伝えました。

この中で朱報道官は「結果は『平和と安定を求め、よい生活を送りたい』という主流の民意を反映したものだ」と評価しました。

そのうえで「われわれは引き続き多くの台湾の同胞と団結し、両岸関係の平和で融合した発展をともに推し進め『台湾独立』の分裂勢力と外部勢力の干渉に断固として反対する」と強調し、中国政府が独立志向が強いとみなす民進党の蔡英文政権をけん制しました。