プーチン大統領“兵器の増産指示” 英国防省“ミサイル不足”

ロシア軍がウクライナ各地でミサイル攻撃などを続ける中、プーチン大統領は、兵器のさらなる製造を指示しました。一方、イギリス国防省は、ロシア軍は、核弾頭を取り外した1980年代のミサイルまでも戦闘に使用していると指摘し、ミサイル不足に直面していると分析しています。

ロシア軍は、ウクライナ各地でミサイルなどの攻撃を続けていて、南部の要衝ヘルソン市の議会は、今月20日から25日にかけて子ども1人を含む市民15人が死亡、20人が負傷したと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は25日、首都キーウ郊外でロシア軍のミサイル攻撃を受けた集合住宅を視察し「ロシアのミサイルテロがわれわれの国民に与えた結果だ」などと攻撃を非難しました。

一方、ロシアのプーチン大統領は25日、首都モスクワで開かれた兵器を製造している国営企業の式典で演説し、「最優先の課題は、特別軍事作戦に関するロシア軍部隊の需要を満たすことだ。製造と供給を増やす必要があり、われわれも迅速に支援する」と述べ、兵器のさらなる製造を指示しました。

プーチン大統領は、この日、武闘派の側近として知られ、チェチェンの部隊を率いるカディロフ氏とも会談し、軍事侵攻への貢献に謝意を示すとともに、今後の作戦についても意見を交わしたということで、侵攻を続ける姿勢を強調しています。

一方、イギリス国防省は26日、ロシア軍はソビエト時代の1980年代に開発された老朽化した核ミサイルから核弾頭を取り外して戦闘に使用しているとみられると指摘しました。

これらのミサイルを発射することで、ウクライナ軍の防空システムに負担を与えるねらいがあるのではないかとしています。

そして、「ロシア軍の長距離ミサイルの在庫が枯渇していることを際立たせている」と指摘し、ロシア軍がミサイル不足に直面していると分析しています。