ウクライナ 大飢きん追悼の日 大統領 国民に忍耐呼びかける

ウクライナでは26日、90年前、当時のソビエトが引き起こしたとされる大飢きんの犠牲者を追悼する日を迎えます。旧ソビエトの中心だったロシアに反発する世論が一層高まるなか、ウクライナでは、ロシア軍のインフラ攻撃が引き起こした停電が続き、ゼレンスキー大統領は、国民に忍耐を呼びかけました。

ウクライナでは、1932年から翌年にかけて「ホロドモール」と呼ばれる大飢きんで数百万人が犠牲になり、26日、犠牲者を追悼する日を迎えます。

大飢きんは当時のソビエトのスターリン政権が引き起こしたとされ、ウクライナの民間団体が今月、1000人を対象に行った世論調査では93%が「ホロドモールはウクライナ人に対する集団虐殺だと思う」と回答したということです。

ウクライナではこの「ホロドモール」をいまも続くロシアによる軍事侵攻と重ね合わせる人も多く、ロシアに対する徹底抗戦の世論が一層高まっています。

こうした中でもロシア軍の攻撃は各地で続き、ウクライナ南部の要衝ヘルソン市の議会は、今月20日から25日にかけて子ども1人を含む市民15人が死亡、20人が負傷したとSNSに投稿しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、キーウ郊外でロシア軍のミサイル攻撃を受けた集合住宅を視察しました。

そして、「ロシアのミサイルテロがわれわれの国民に与えた結果だ」と自身のSNSに投稿し、民間施設を標的にした攻撃を非難しました。

さらに25日に公開した動画では、停電でいまも600万人以上が影響を受けていることを明らかにしたうえで、「夜になると電力の消費量が増え、停電が起きる。いまはまだ節電が必要な時期だ」と国民に忍耐を呼びかけました。