JICA フィリピンのワクチン運搬を支援 保冷機能付き資材を供与

1年を通して気温が高いフィリピンで温度管理ができずに廃棄される新型コロナウイルスのワクチンが課題となる中、運搬体制を支援しようと、JICA=国際協力機構が保冷機能付きの車両や容器をフィリピン政府に供与しました。

フィリピンは1年を通して気温が高いうえ、離島も多いことから厳しい温度管理が必要な新型コロナウイルスのワクチンを適切に運搬するための体制が十分に整っておらず、保健省によりますと、これまでに政府が用意した量の12%に当たる3100万回分余りのワクチンが廃棄されたということです。

こうした中、JICAフィリピン事務所はワクチンの運搬に使う保冷機能付きのトラック2台や保冷容器600個をフィリピン保健省に供与することになり、25日、首都マニラの国立病院で式典を行いました。

引き渡された保冷容器は、1箱でおよそ5800回分のワクチンを保管し、マイナス2度までの温度をおよそ100時間にわたって保つことができるということで、フィリピンの離島に船で運ぶ際も積み替えや持ち運びが容易になると期待されています。

JICAフィリピン事務所の坂本威午所長は「ワクチンが離島で暮らす人々にも届くよう、支援をした。有効活用してもらえるようフォローアップしていきたい」と話しました。