
ウクライナ 電力不足深刻 プーチン大統領は兵士の母親と面会へ
ロシア軍はウクライナ各地でインフラ施設への攻撃を強めていて、電力不足が深刻化していますが、ウクライナ側は復旧作業を進め、徹底抗戦する構えです。一方、ロシアのプーチン大統領は、戦地に派遣されたロシア兵の母親たちと25日、公式に面会する予定で、兵士の深刻な実態も伝えられるなか、国民に理解を求めるねらいがあるとみられます。
ロシア軍は先月からウクライナの首都キーウなど、各地でエネルギー関連のインフラ施設などへの攻撃を強めていて、電力不足が深刻化しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、「電気の使用は、ほとんどすべての地域で困難な状況が続いている。しかし、少しずつだが電気がない状態から脱しつつある」と述べ、国民が結束して復旧作業を進めていると強調し、徹底抗戦する構えです。
一方、イギリス国防省は25日、ロシアのプーチン政権が、ことし9月に踏み切った予備役の動員について、招集されたロシア兵の訓練が十分でなく、装備品が不足していることや、健康状態が十分に確認されないまま、兵役についている可能性を指摘しています。
さらに、動員された兵士は、ウクライナ東部のルハンシク州やドネツク州で、ロシア側の防衛線を築くために、ざんごうを掘るなど前線で任務につき、多くの犠牲者が出ている可能性があるとしていて、プーチン政権は、兵士の家族から抗議の声が高まることを懸念していると分析しています。
こうした中、ロシア大統領府は、27日のロシアの「母の日」を前に、プーチン大統領が25日、ウクライナの戦地に派遣された兵士の母親たちと、クレムリンで面会する予定だと明らかにしました。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は「彼女たちの訴えについて、すべて話し合われるだろう」と述べていて、ロシア兵の深刻な実態も伝えられるなか、プーチン大統領としては、兵士や家族に寄り添う姿勢を強調し、国民に理解を求めるねらいがあるとみられます。