松野官房長官は、午後の記者会見で「国際法違反であり、外交ルートで厳重に抗議し、速やかにわが国領海から退去するよう強く求めた」と説明しました。
そのうえで「中国海警局に所属する船舶による接続水域内の航行や領海侵入などが相次いでいることは極めて深刻だ。緊張感を持って尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を尽くすとともに、中国側に対して冷静かつきぜんと対応していく」と述べました。
さらに「海上保安庁では、常に相手勢力を上回る巡視船で対応するなど万全の領海警備体制を確保している。引き続き、大型巡視船の整備など、中国海警局に所属する船舶の大型化や武装化に対応できるよう、海上保安能力の一層の強化に努めていく」と述べました。

尖閣沖 中国海警局の船4隻が一時領海侵入 1隻は76ミリ砲搭載か
25日午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、従来より大型の76ミリ砲を搭載しているとみられる中国海警局の船が日本の領海に侵入したのが初めて確認されました。その後、領海から出ましたが、すぐ外側にある接続水域を航行していて、海上保安本部が警戒を続けています。
第11管区海上保安本部によりますと、25日午前2時40分すぎと午前10時すぎに中国海警局の船、合わせて4隻が尖閣諸島沖の日本の領海に相次いで侵入したのが確認されました。
関係者によりますと、このうち午前10時すぎに領海侵入した1隻にはこれまでで最も大きな76ミリ砲が搭載されているとみられるということです。
この砲を搭載した船は今月15日以降、尖閣諸島沖の接続水域を航行しているのが確認されていて、今回初めて領海に侵入したのが確認されたということです。
この船を含む4隻はいずれも午後1時すぎまでに領海から出ましたが、午後1時半現在、領海のすぐ外側にある接続水域を航行していて、海上保安本部が警戒を続けています。
海上保安本部は中国海警局の船舶の大型化や武装化についても注視していて万全な体制で対応にあたるとしています。