米ファウチ博士が退任前に会見 コロナワクチンの接種など訴え

アメリカ政府の首席医療顧問で、新型コロナウイルス対策にあたってきたファウチ博士が、来月の退任を前に最後の記者会見に臨み、ワクチンの接種や科学的な根拠に基づいた情報発信の重要性を重ねて訴えました。

アメリカの感染症研究の第一人者のアンソニー・ファウチ博士は、歴代7人の大統領のもとで感染症対策に取り組み、首席医療顧問として新型コロナ対策にあたってきましたが、来月、退任を予定しています。

ファウチ博士は22日、ホワイトハウスで退任前の最後の記者会見に臨み、ワクチンの有効性をデータで紹介したあと、「社会的な分断やイデオロギーの違いから、ワクチンを打たない人を見るのは医師として心が痛む。私はコロナに感染したり、亡くなったりする人を誰も見たくない」と訴えました。

そして「最後のメッセージになるが、自分自身や家族、地域を守るためにも、打てる人はすぐにワクチンを打ってほしい」と呼びかけました。

また疑わしい情報が出回っている現状に対しては「誤った情報やうその情報に対抗するには、正しい情報をできるかぎり多く発信し続けることだ」と述べ、科学的な根拠に基づいた情報発信の重要性を強調しました。

ファウチ博士は退任後は、感染症対策に携わる次世代の育成などにあたる意向を示しています。