ロシア軍による発電所や病院への攻撃続く ウクライナは非難

冬が到来する中、ウクライナではロシア軍が発電所などのインフラ施設や病院への攻撃を続けており、ゼレンスキー大統領は多くの人の命を危険にさらしているとロシアを強く非難しています。

ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナでは、東部での戦闘が一段と激しくなっているほか、今月、ウクライナ軍が奪還した南部の要衝ヘルソンでもロシア軍が砲撃を繰り返しています。

各地で発電所などインフラ施設への攻撃が続いており、ウクライナのベレシチュク副首相は21日、ヘルソンの市民に対し、冬の間は国内の別の地域に避難するよう呼びかけました。

また、WHO=世界保健機関は21日、ことし2月以降、病院など医療関連施設への攻撃が703件に上ったと明らかにし、多くの患者が危険な状態に置かれると危機感を示しました。

こうした状況にゼレンスキー大統領は21日、NATO=北大西洋条約機構の会合のなかで「ロシアの目的は冬の真っただ中に電気や水、暖房などを止めることであり、多くの人の命を危険にさらしている」と述べ、ロシアを強く非難しました。

さらに南部のザポリージャ原子力発電所の敷地内でも20日と21日に砲撃があり、ロシアとウクライナ、双方が相手側の攻撃によるものだと主張しています。

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は「この数か月で最も深刻な事件の1つだ」とする声明を発表し、懸念を示しました。