冬を前にLNGの安定的調達を電力・ガス会社に要請 経済産業省

エネルギーの需要が高まる冬を前に、経済産業省は、電力・ガス会社に対してLNG=液化天然ガスの安定的な調達を要請しました。
今の時点で必要な在庫は確保できているものの、予断を許さないとしています。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを背景に、火力発電の燃料や都市ガスの原料となるLNGは世界的に需給がひっ迫していて、エネルギーの需要が高まる冬を前に安定供給への懸念が高まっています。

経済産業省は21日、電力会社や都市ガス会社などの幹部を集めて官民の連絡会議を開き、会社に対してLNGの安定的な調達を要請しました。

経済産業省によりますと、各社の在庫の状況は今の時点で過去5年間の平均を上回る水準にあり、必要な量を確保できているということです。

中谷真一経済産業副大臣は「想定以上の寒さとなればLNGの消費が増える可能性があるため、引き続き計画的かつ着実な調達をお願いしたい」と述べ、安定供給には、なお予断を許さないという認識を示しました。

これに対して、電気事業連合会の池辺和弘会長は、LNGの調達は民間だけでの対応では限界があるとして、官民で長期的にリスクを分担する検討をするよう求めました。

この冬に向けて電力・ガス各社は、業界を超えて緊急時にLNGを融通しあう体制を整えることにしています。