中国 コロナ感染急拡大 約半年ぶりに死者 景気回復進まず

中国各地で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、中国政府は首都・北京で19日、感染者1人が死亡したと発表しました。中国で死者が出るのはおよそ半年ぶりで、「ゼロコロナ」政策の影響などで景気回復が進まない中、中国政府は経済と感染対策をどう両立するか難しいかじ取りを迫られています。

中国政府の発表によりますと、中国国内では19日、31ある省や自治区などすべてで新型コロナウイルスの感染者が合わせておよそ2万3000人確認されました。

このうち北京では、新型コロナに感染した87歳の男性が基礎疾患の症状が悪化して死亡したということです。

中国で感染した人が死亡するのは、上海で感染が拡大して厳しい外出制限がとられていたことし5月下旬以来、およそ半年ぶりです。

中国の1日の感染者数は1か月前は1000人を下回っていましたが、感染が急拡大しています。

このため、北京中心部にある人口340万余りの朝陽区では多くの飲食店が店内での飲食の提供をやめているほか、当局がこの週末はなるべく自宅で過ごすよう求めるなど、各地で感染対策が強化されています。

一方で、こうした行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策は、消費の停滞につながって景気回復が進まない要因にもなっています。

中国政府は、今月、濃厚接触者の隔離期間を短縮するなど、対応の見直しを発表しましたが、経済と感染対策をどう両立するか難しいかじ取りを迫られています。