ジャーナリスト殺害“サウジアラビア皇太子は免責適用”米政権
4年前にサウジアラビア人ジャーナリストがトルコで殺害された事件をめぐり、アメリカで起こされた裁判で、バイデン政権は、事件への関与が疑われるムハンマド皇太子には免責が適用されるとの見解を示しました。
サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が、4年前、トルコで殺害された事件をめぐっては、アメリカの政府機関が、サウジアラビアのムハンマド皇太子が計画を承認したとする報告書をまとめています。
これについて、アメリカの首都ワシントンの連邦地方裁判所では、ムハンマド皇太子の責任を追及する裁判が起こされていて、バイデン政権は18日までに裁判所に提出した文書の中で、皇太子には免責が適用されるとの見解を示しました。
その理由について、国務省の報道担当者はNHKの取材に対し、「アメリカ政府が現職の国家元首や政府首脳などに適用してきた法律の慣習にもとづく」として、皇太子がことし9月に首相に就任したことが背景にあるとしています。
これを受けて、ジャマル・カショギ氏の元婚約者の女性はツイッターに、「ジャマルはきょう再び死んだ」と投稿し、憤りをあらわにしています。
バイデン大統領は去年、ムハンマド皇太子の事件への関与をめぐる報告書が発表された際には、「人権侵害については責任をとってもらうことになる」と述べていましたが、ことし7月には、サウジアラビアを訪問し、ムハンマド皇太子とも会談しています。