ウクライナ大統領 ロシアと現時点では交渉する考えなし 強調か

ウクライナのゼレンスキー大統領は、軍事侵攻を続けるロシアと交渉する可能性について「どんな交渉であっても公の場で行われなければならない」とけん制し、現時点では交渉する考えはないとする立場を強調したものとみられます。

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領は16日、「ロシア側との交渉の可能性について、他国の指導者たちからシグナルを受け取った」と述べ、ロシアが交渉の用意があると複数の国から伝えられたことを明らかにしました。

そのうえで「ロシアは、ウクライナに対して全面的な侵略戦争を続けている。どんな交渉であっても密室ではなく公の場で行われなければならない」と述べました。

ロシアと交渉する姿勢まで完全に閉ざすべきではないとする一部の国の考えに配慮を示す一方で、公の場での交渉というロシアとしては認められない形式を持ち出しけん制することで、現時点では交渉する考えはないとする立場を強調したものとみられます。

一方、ウクライナに隣接するポーランドで今月15日、ミサイルが着弾したことを受けて、ウクライナのクレバ外相は17日、現地調査に参加するウクライナの専門家がポーランドに到着したと明らかにしました。

このミサイルをめぐっては、ウクライナ軍が発射した迎撃ミサイルだった可能性を指摘する欧米側と、ウクライナ側との間には、見解の違いも見られ、調査結果がどうなるかが焦点となっています。