旧統一教会 被害者救済「消費者契約法」など改正案を閣議決定

旧統一教会の被害者救済をめぐり、政府は、霊感商法などの悪質商法の契約を取り消せる「取消権」を行使できる期間の延長などを盛り込んだ「消費者契約法」などの改正案を18日の閣議で決定しました。

旧統一教会の問題を受けた霊感商法などによる被害者の救済対策については、先月、消費者庁の有識者検討会が報告書をまとめ、その中で消費者契約法で定められている消費者契約を取り消すことができる「取消権」について、対象範囲の拡大や行使できる期間の延長などを求めていました。

政府は、こうした報告を踏まえ、霊感商法の契約を取り消せる「取消権」を行使できる期間について、現在、
▽契約締結から5年としているのを10年に、
▽被害を受けていたと気付いた時から1年としているのを3年に、
それぞれ延長することを盛り込んだ、消費者契約法の改正案を18日の閣議で決定しました。

また、「取消権」が認められる行為の対象範囲について、
▽消費者本人の将来の不安をあおる行為に加え、消費者の親族の生命や身体、財産などに関わる不安をあおる行為を対象にするほか、
▽将来の不安だけでなく、現在、不安を抱いていることを利用して結ばせた契約についても対象とするとしています。

また、国民生活センター法の改正案も閣議決定され、
▽消費者保護のために特に必要があると認める時は、事業者名などを公表できるようにすることなどが盛り込まれています。

閣議のあとの記者会見で、河野消費者担当大臣は「霊感商法などの悪質商法の被害者の救済、再発防止のために非常に重要な法案だ。早期の成立に万全を期して参りたい」と述べました。

政府は、これらの改正案について今国会での成立を目指す方針で、成立すれば、公布の日から20日後に施行される見通しです。

有識者検討会の座長「提言と比べて十分な形とは言えない」

旧統一教会の被害者救済に向けて政府が示した悪質な献金を規制する新たな法案の概要について、専門家からは厳しい指摘があがっています。

消費者庁の有識者検討会で座長を務め、悪質な献金規制の法制化に向けた検討を求める提言をまとめた、東京大学の河上正二名誉教授は、「きょう示された概要では、家族が献金した額の100%ではなく、かなり小さい金額しか取り戻せないおそれがある。取消権ではなく、禁止行為を規定して、そうした行為に基づく献金は無効にして、すべて取り戻せる仕組みが必要だ。刑事罰を設けたことは評価できるが、少なくともこの概要では、検討会の報告書の提言と比べて十分な形とは言えない」と指摘しました。

そのうえで、「骨抜きになった法律をとりあえず作ってよしとせず、政府が本気になって対応するというのであれば、内容を詰めて議論し、できることを早急にやってもらいたい」と話しました。

一方、18日に閣議決定された霊感商法の契約を取り消せる「取消権」の対象の拡大や期間の延長を盛り込んだ、消費者契約法と国民生活センター法の改正案については、「短い期間で霊感商法に関する取消権の対象範囲が整理され、行使期間も延長した点は評価したい。悪質な事業者名の公表なども意味のあることだ。消費者契約法などで対応できないことは新しい法律などでカバーしつつ、今後は、相談員の研修など相談体制の充実も必要だ」と話していました。