世界ランキング24位のサッカーの日本代表は17日、ワールドカップカタール大会の開幕前、最後の強化試合として、世界41位でワールドカップにも出場するカナダとUAE=アラブ首長国連邦のドバイで対戦しました。
日本は前半8分に柴崎岳選手からの相手選手の背後への浮き球のパスに走り込んだ相馬勇紀選手が右足で合わせてさい先よく先制しました。
サッカー日本代表 強化試合カナダ戦 終了直前に失点し敗れる
サッカーの日本代表は17日、ワールドカップカタール大会の開幕前最後の強化試合としてカナダと対戦し、試合終了間際にペナルティーキックから失点して1対2で逆転負けを喫しました。
【NHK公式サイト】FIFAワールドカップ カタール2022

しかし、21分にコーナーキックからのこぼれ球を押し込まれて同点に追いつかれると、その後は相手のスピードのある選手に繰り返し突破を許しゴールに迫られるなど攻め込まれる展開が続きました。
そして、試合終了間際には山根視来選手が相手を倒してペナルティーキックを与えると、これを決められて1対2で逆転負けしました。
そして、試合終了間際には山根視来選手が相手を倒してペナルティーキックを与えると、これを決められて1対2で逆転負けしました。

大会前のすべての強化試合を終えた日本は再びカタールに移動し、今月23日に、1次リーグ第1戦のドイツとの試合を迎えます。

《選手・監督談話》
先制ゴールの相馬勇紀「反省して切り替える」

「積極的に背後を抜け出していい形で得点できた。得点できたことはよかったがチームが勝てないと悔しさが残るので、最後のホイッスルがなるまで締めていかないとワールドカップは勝てないと思うので修正していきたい」と振り返りました。そのうえで初戦のドイツ戦に向けて「きょうの試合で反省するところは反省して、しっかり切り替えて絶対勝つという気持ちで準備していきたい」と話しました。
キャプテン吉田麻也「試合分析しドイツ戦へ準備」

「ドイツ戦に向けてやらなければいけないことがたくさんある。きょうの試合をしっかり分析しフィードバックしていい準備をしたい」と話しました。
試合のなかでディフェンスのスリーバックを試したことについては「結果的に失点してしまったが、どちらに転んでもおかしくなかったと思う。もちろん1対1のままで終わらなくてはいけなかったが、この形を試せたのは大きかった」と振り返っていました。そして「前半はすごくよかったが、後半は暑さもあり強度が若干落ちて試合が間延びしてしまった。プレスの部分で修正できるところはたくさんある。改めてドイツ戦に向けて完璧な状態で挑めるように準備したい」とワールドカップ本番を見据えていました。
試合のなかでディフェンスのスリーバックを試したことについては「結果的に失点してしまったが、どちらに転んでもおかしくなかったと思う。もちろん1対1のままで終わらなくてはいけなかったが、この形を試せたのは大きかった」と振り返っていました。そして「前半はすごくよかったが、後半は暑さもあり強度が若干落ちて試合が間延びしてしまった。プレスの部分で修正できるところはたくさんある。改めてドイツ戦に向けて完璧な状態で挑めるように準備したい」とワールドカップ本番を見据えていました。
先制点アシストの柴崎岳「全員100%の状態で初戦を」
「パスが自分の長所だと思っている。チームにポジティブな効果を与えたいと思っているので自分が出たときはパスを狙っていきたいと常々考えている」と話しました。そのうえで「改善すべき点と継続してやっていくべき点と両方出た試合だと思う。チーム全員のコンディションが整うことが一番だと思っているので、全員が100%の状態で初戦を迎えられるように戦術的な部分など細かいところを合わせるために最後の準備をしていきたい」と本番を見据えていました。
途中出場の鎌田大地「ドイツ戦しっかり勝ち点1以上を」

「所属チームでやっていることと違いはないので、問題なくできたと思う。相手に押し込まれている時間が多く、ブロックしながらカウンターのチャンスで出しきることが必要だったが、自分が入ってうまくできたところもあると思う」と振り返りました。そのうえでワールドカップ初戦に向けて「ドイツ戦はしっかり勝ち点1以上をとることが必要だと思う。初戦は大事なので勝ち点をとれるように頑張りたい」と話していました。
先発起用の田中碧「ケガは問題ない 技術的なミスの修正を」
コンディションについて「フィジカル的には多少きつい部分はあったけれど、ケガをしていた場所に関しては問題なかった。技術的なミスが何回かあったので、残り短い時間で修正していきたい」と振り返りました。そのうえでドイツとの試合に向けては「残りの時間でできることは限られていると思うが試合でピッチに入ったときに自分が今までやってきたことを全部出せるような状態にできるように与えられた時間で調整していきたい」と意気込んでいました。
フル出場の伊藤洋輝「痛い経験 ワールドカップにつなげる」
スピードのある相手の攻撃陣との対戦を振り返り「ディフェンスラインを自分たちが高くしている以上背後に走られることはある程度しかたがないが走り負けないことは必要だったと思うしボールを相手に持たれたあとに自由を奪う守備をもっとできればよかった」と話しました。そのうえで「個人的にはフル出場したのでまずはコンディションを整えることと、きょう出た課題と収穫をチームで共有してドイツ戦に向かっていきたい。きょうのような痛い経験ができたことは絶対にワールカップにつなげないといけない」と話していました。
森保監督「残りの期間でできることを積み上げる」

「勝てなかったのは非常に残念だ。選手たちはダメージを負ったと思うが、またこれから次に向けて勝っても負けてもやるべきことは変わらないのでポジティブに考えたい」と振り返りました。そのうえで初戦のドイツ戦に向けて「力のある選手たちがそろっているし、これまでいい活動を積み重ねてこれたと思うので、残りの期間でできることを積み上げて、勝利を目指して準備していきたい」と話しました。
《現地取材の記者はどう見たか》
最後の強化試合「改善すべき点」浮き彫りに
ワールドカップ開幕前、最後の強化試合となったカナダ戦は終了間際の失点で競り負け本番に向けて改善すべき点が浮き彫りになりました。
◆改善すべき点1.「相手のセットプレーへの守備」◆
◆改善すべき点1.「相手のセットプレーへの守備」◆

同点に追いつかれたのはコーナーキックからの失点で、それ以外のコーナーキックやフリーキックで質の高いクロスボールを上げられて何度もゴールが脅かされました。キャプテンの吉田麻也選手は「ボールに対して誰が触るかというところは徹底しないといけないし、当たり前のことを当たり前にやらないとドイツやスペインには勝てない」と気を引き締めました。
◆改善すべき点2.「試合運び」◆
◆改善すべき点2.「試合運び」◆
日本は1対1の後半40分に攻撃的なポジションの南野拓実選手に代えてセンターバックの吉田選手を入れセンターバックを2人から3人に増やすフォーメーションに変更しました。吉田選手は「まずは失点しないことと、チャンスがあれば前のフレッシュな選手にボールをつけてカウンターを狙うことを考えていた」とより守備的な態勢を敷いたことを説明しました。
しかし、終了間際に山根視来選手がサイド突破を図った相手の選手を倒したことでペナルティーキックを与え、最も避けたかった失点につながってしまいました。
しかし、終了間際に山根視来選手がサイド突破を図った相手の選手を倒したことでペナルティーキックを与え、最も避けたかった失点につながってしまいました。

吉田選手は「逆に前がかりになったところを相手に両サイドを突かれて結果的にペナルティーキックを与えてしまった。決して良い結果ではなかった」と厳しい表情で振り返りました。そして「本番でもああいう形が想定される。あの形で残り5分、10分で勝ち点1でも取りに行くために何をしないといけないかを明確にして同じページを描くことが大事だと思う。本番に向けてもっとすり合わせをしていかないといけない」と気持ちを引き締めました。
敗戦の一方で“収穫”も
一方で森保監督は「結果は残念だったが本番に向けていい準備ができたと思う」と振り返り、収穫もあったことを強調しました。
◆けがから復帰の選手が出場果たす◆
森保監督は試合前「ワールドカップを総力戦で戦うためにチーム全体のコンディションを上げるということを大きなテーマとしたい」と話していました。けがの影響が心配される中、先発で起用されたセンターバックの板倉滉選手とボランチの田中碧選手が後半20分すぎまでプレーしたほか、フォワードの浅野拓磨選手も前半の45分間出場しました。
◆けがから復帰の選手が出場果たす◆
森保監督は試合前「ワールドカップを総力戦で戦うためにチーム全体のコンディションを上げるということを大きなテーマとしたい」と話していました。けがの影響が心配される中、先発で起用されたセンターバックの板倉滉選手とボランチの田中碧選手が後半20分すぎまでプレーしたほか、フォワードの浅野拓磨選手も前半の45分間出場しました。

森保監督は「プレーできていなかった選手たちは体力、ゲーム勘を上げることができた。チーム全体のコンディションを上げるいい試合になった」と前向きに捉えました。
◆大会前最後の試合でアピールできた選手も◆
右サイドで先発出場した相馬勇紀選手です。
右サイドで先発出場した相馬勇紀選手です。

前半8分にディフェンスラインの裏に抜け出して柴崎岳選手からの浮き球のパスをダイレクトで合わせて先制ゴールをマークしました。さらに後半は左サイドに回ってプレーし、前線からの守備でも貢献してフル出場しました。森保監督も目立った選手として相馬選手の名前を挙げ「代表経験が浅い方だと思うがふだんと違う右サイドでもプレーしてもらい結果が出た。彼も自信につながったと思うしチームのオプションという意味でもいいプレーをしてくれた」と評価しました。
本大会前最後の強化試合で出た課題と収穫。1次リーグの初戦、強豪、ドイツとの戦いに向けてどのようにいかすのか、指揮官の手腕が問われることになります。
本大会前最後の強化試合で出た課題と収穫。1次リーグの初戦、強豪、ドイツとの戦いに向けてどのようにいかすのか、指揮官の手腕が問われることになります。
《試合詳細》
日本代表メンバー

【GK】12権田修一
【DF】3谷口彰悟/4板倉滉/19酒井宏樹/26伊藤洋輝
【MF/FW】7柴崎岳(C)/10南野拓実/11久保建英/17田中碧/18浅野拓磨/24相馬勇紀
=SUB=
【GK】1川島永嗣/23シュミット ダニエル
【DF】2山根視来/5長友佑都
【MF/FW】8堂安律/14伊東純也/15鎌田大地/16冨安健洋/20町野修斗
/21上田綺世/22吉田麻也/25前田大然
【DF】3谷口彰悟/4板倉滉/19酒井宏樹/26伊藤洋輝
【MF/FW】7柴崎岳(C)/10南野拓実/11久保建英/17田中碧/18浅野拓磨/24相馬勇紀
=SUB=
【GK】1川島永嗣/23シュミット ダニエル
【DF】2山根視来/5長友佑都
【MF/FW】8堂安律/14伊東純也/15鎌田大地/16冨安健洋/20町野修斗
/21上田綺世/22吉田麻也/25前田大然
カナダ代表メンバー
【GK】
18ミラン・ボルヤン
【DF】
2アリステア・ジョンストン/3サム・アデクービ/4カマル・ミラー/5スティーブン・ビトリア
【MF】
6サミュエル・ピエット/10ジュニア・ホイレット/13アティバ・ハッチンソン(C)
【FW】
11タジョン・ブキャナン/17カイル・ラリン/20ジョナサン・デイビッド
=SUB=
【GK】
1デイン・セント クレア/16ジェームズ・パンテミス
【DF】
22リッチー・ラレア/27ルーカス・マクノートン/25デレク・コーネリアス/26ジョエル・ウォーターマン
【MF】
7ステフェン・エウスタキオ/8リアム・フレイザー/14マーク アンソニー・ケイ/15イスマエル・コネ/21ジョナサン・オソリオ/24デイビッド・ウォザースプーン
【FW】
9ルーカス・カバリーニ/12イケ・ウグボ/23リアム・ミラー
18ミラン・ボルヤン
【DF】
2アリステア・ジョンストン/3サム・アデクービ/4カマル・ミラー/5スティーブン・ビトリア
【MF】
6サミュエル・ピエット/10ジュニア・ホイレット/13アティバ・ハッチンソン(C)
【FW】
11タジョン・ブキャナン/17カイル・ラリン/20ジョナサン・デイビッド
=SUB=
【GK】
1デイン・セント クレア/16ジェームズ・パンテミス
【DF】
22リッチー・ラレア/27ルーカス・マクノートン/25デレク・コーネリアス/26ジョエル・ウォーターマン
【MF】
7ステフェン・エウスタキオ/8リアム・フレイザー/14マーク アンソニー・ケイ/15イスマエル・コネ/21ジョナサン・オソリオ/24デイビッド・ウォザースプーン
【FW】
9ルーカス・カバリーニ/12イケ・ウグボ/23リアム・ミラー
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【試合開始】日本時間22:40すぎ
日本のキックオフで試合が始まりました。
日本は「4-2-3-1」カナダは「3-5-2」のフォーメーションです。
日本は「4-2-3-1」カナダは「3-5-2」のフォーメーションです。
※GOAL※【前半8分】日本が先制 日本1-0カナダ

日本は柴崎選手からのロングパスに、相馬選手が右足で合わせて先制のゴールを決めました。
【前半11分】カナダ CKからのシュートは枠外す
日本はカナダのコーナーキックの場面でヘディングでシュートを打たれましたが枠を外れました。(日本1-0カナダ)
【前半18分】カナダの選手にイエローカード
浅野選手へのファウルでカナダのジョンストン選手にイエローカードが出ました。(日本1-0カナダ)
※GOAL※【前半21分】カナダ CKから同点に

日本はカナダのコーナーキックからビトリア選手にシュートを決められ、同点に追いつかれました。(日本1-1カナダ)
【前半25分】給水タイムで中断
選手の給水のため試合は1分余り一時中断しました。(日本1-1カナダ)
【前半19分】久保 エリア内でシュートもわずかに外れる

中盤の左に位置する久保選手が左サイドからドリブルで仕掛け、左足でシュートを打ちましたがわずかにゴールの枠の外でした。(日本1-0カナダ)
【前半28分】日本 ゴール前でシュート防ぐ
日本はカナダに右サイドから攻め込まれゴール前にパスを出されますが、ディフェンダーの谷口選手が防ぎました。(日本1-1カナダ)
【前半32分】カナダ FKからゴール狙うも枠外れる
久保選手のファウルからペナルティーエリアの外でフリーキックのピンチを招きましたが、カナダのシュートは大きく枠を外れました。(日本1-1カナダ)
【前半39分】日本 DF酒井のシュートは枠の外
右サイドを駆け上がり、ロングパスに反応した酒井選手がダイレクトで合わせましたがゴールの枠の外でした。(日本1-1カナダ)
【前半43分】日本 相馬が倒れ一時中断
相馬選手が接触プレーで足首を押さえて倒れ一時試合が中断しましたが、すぐに立ち上がりプレーは再開されました。
【前半終了】
アディショナルタイムは3分と表示され、そのまま前半が終わりました。日本は前半9分、相馬選手のゴールで先制しましたが、コーナーキックからカナダに同点に追いつかれ、1対1で後半に臨みます。(日本1--1カナダ)
【後半開始】
日本代表とカナダの強化試合は日本時間の午後11時47分、後半が始まりました。
【日本:選手交代】
浅野→21上田綺世
久保→8 堂安律
酒井→2山根視来
【カナダ:選手交代】
ピエット→15イスマエル・コネ
(日本1-1カナダ)
【日本:選手交代】
浅野→21上田綺世
久保→8 堂安律
酒井→2山根視来
【カナダ:選手交代】
ピエット→15イスマエル・コネ
(日本1-1カナダ)
【後半11分】カナダのDFにイエローカード
日本はペナルティーエリアの手前で上田選手が倒され、フリーキックを獲得しました。カナダのビトリア選手にイエローカードが出されました。(日本1-1カナダ)
【後半12分】日本 堂安がFKで直接狙うも阻まれる
日本はペナルティーエリアの外からのフリーキックのチャンスで堂安選手が左足で直接ゴールを狙いましたがカナダの選手に当たり阻まれました。(日本1-1カナダ)
【後半16分】カナダ 3人選手交代
ハッチンソン→14マーク アンソニー・ケイ
ブキャナン→21ジョナサン・オソリオ
アデクービ→22リッチー・ラレア
ブキャナン→21ジョナサン・オソリオ
アデクービ→22リッチー・ラレア
【後半19分】カナダ ミドルシュートは枠外
ペナルティーエリアの外からオソリオ選手にミドルシュートを打たれますが、枠の外でした。(日本1-1カナダ)
【後半21分】日本 2人選手交代
日本は田中選手に代わって鎌田大地選手、板倉選手に代わって長友佑都選手が入りました。(日本1-1カナダ)
【後半24分】給水タイムで2分間中断
後半24分すぎ、選手の給水のため試合はおよそ2分間、一時中断しました。(日本1-1カナダ)
【後半26分】カナダ 2人選手交代
ラリン→9ルーカス・カバリーニ
ジョンストン→26ジョエル・ウォーターマン
ジョンストン→26ジョエル・ウォーターマン
【後半29分】カナダのシュートは枠外
ペナルティーエリア近くからカナダの選手にシュートを打たれましたが枠を外れました。(日本1-1カナダ)
【後半40分】南野から吉田麻也に交代
日本は南野選手に代わって吉田選手が入りました。
日本は「3-4-3」のフォーメーションに変わりました。
日本は「3-4-3」のフォーメーションに変わりました。
【後半44分】日本 山根のシュートはポストに阻まれる

柴崎選手のパスを受けた山根選手がペナルティーエリア内に切り込みシュートを打ちましたが、ゴール右のポストに当たり得点はなりませんでした。(日本1-1カナダ)
【後半45分】
1-1の同点のままアディショナルタイムは4分と表示されました。
※GOAL※【後半AT】 PKで失点 そのまま試合終了
日本は、山根選手のファウルでカナダにペナルティーキックを与えました。日本はこれを決められて勝ち越されました。その直後に試合終了となり日本は1対2で敗れました。
