ウクライナ産農産物の輸出枠組み 国連とトルコ 期限延長で合意

今月19日に期限が迫っていたウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意について、ロシアとウクライナ、それに仲介役の国連とトルコは延長することで合意したと国連などは発表しました。

ウクライナ産の農産物をめぐりロシアとウクライナはことし7月、国連とトルコの仲介で輸出再開で合意し、今月19日の期限を前に合意が延長されるかが焦点となっていました。

これについて国連のグテーレス事務総長は17日、声明を発表し「すべての当事者が継続することで合意したことを歓迎する」として延長することで合意したと明らかにしました。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領とトルコのエルドアン大統領もそれぞれツイッターに合意が120日間延長されると投稿しました。

ロシアは、これまで自国の農産物などの輸出が制裁の影響で制限されていると批判していて、グテーレス事務総長の声明では「ロシアから食料や肥料を輸出できるよう残っている障壁をなくすためにも国連は全力を尽くす」と配慮も示しています。

トルコのイスタンブールに設置された農産物輸出についての共同調整センターによりますと、ことし8月の輸出再開から今月16日までにトウモロコシや小麦など合わせて1100万トン余りがウクライナから各地に輸出されたということです。

トルコ大統領 “国連 ロシア ウクライナに感謝”

ロシアとウクライナの仲介役を務めるトルコのエルドアン大統領は17日、ツイッターに「農産物輸出の合意の枠組みは120日間延長された」と投稿しました。

そのうえで「この4か月で、枠組みが世界の食料と安全のために重要なものだと証明した。延長の意思を示したグテーレス事務総長、プーチン大統領、それにゼレンスキー大統領に感謝する。この枠組みが引き続き成功するよう祈っている」として決定を歓迎しました。

ロシア外務省 “延長に反対しない”

ウクライナ産の農産物をめぐる合意についてロシア外務省は17日、「延長することに反対しない」とする声明を発表しました。

一方、ロシアが経済制裁により影響を受けていると訴えている自国の農産物などの輸出制限については、国連が制限の解除に向けて取り組んでいると一定の評価を示したうえで、「これらの課題は次の120日間で解決されるべきだ」と強調しています。