NHK杯フィギュア 18日開幕 宇野 坂本ら日本選手 会場で調整

フィギュアスケート、グランプリシリーズのNHK杯が18日、札幌市で開幕するのを前に、宇野昌磨選手や坂本花織選手など日本選手たちが会場のリンクで調整に臨みました。

今シーズンのグランプリシリーズ第5戦、NHK杯は、3年ぶりに札幌市で開催されます。

18日からの大会本番を前に、17日は出場する選手たちが会場で調整しました。

このうち、男子シングルでことし2月の北京オリンピックで銅メダル、3月の世界選手権で優勝した宇野選手はコーチと何度も話しながら4回転ジャンプを繰り返し跳んで感触を確かめていました。

宇野選手は今回のNHK杯で大会2連覇、3回目の優勝を目指します。

また、女子シングルで北京オリンピック銅メダル、3月の世界選手権では優勝した坂本選手は時折、笑顔を見せながら和やかな様子で練習に臨み、コンビネーションジャンプやスピンなどを確認していました。

坂本選手は大会3連覇を目指します。

NHK杯にはこのほか、
▽男子シングルに山本草太選手と友野一希選手、
▽女子シングルに渡辺倫果選手と住吉りをん選手が出場します。

また、
▽ペアに三浦璃来選手と木原龍一選手。

▽アイスダンスに小松原美里選手とティム コレト選手のカップル、村元哉中選手と高橋大輔選手のカップルが出場します。

【男子シングル】

宇野昌磨 「自分へのいらだちある」

宇野昌磨選手は「体のコンデションは全く問題がないが、気持ちの面でカナダ大会が終わってからきょうの練習までなかなかプラスの気持ちが持てなかった。練習の中で自分へのいらだちが目立つようになっていて、練習でも表情に表れていた」と話しました。

いらだちを感じる理由については「反映しようとした技術にトライしたとき、全く反映されないことにすごくいらだちを感じる。特にフリップにいちばんいらだちを感じていて、こっちがダメだったからこっちに直そうと思ったときにそれが反映されないので、練習していて意味がないなと思いながらずっとやっている」としたうえで、「4回転トーループやトリプルアクセルなどカナダ大会が終わってから取り組んできた難しいジャンプばかりにとらわれず、自分ができるジャンプを試合でも降りることがもっともっと難しいものに挑戦していく中で必要な鍵になってくる」と話し、気持ちを切り替えていました。

18日から始まる大会に向けては「何がしたいとか具体的に考えていないが、どんな結果になるかは興味深い。練習してきたトーループやアクセルをちゃんといかせるかが自分なりの見どころだ」と話していました。

山本草太 「後半のアクセルを決めたい」

フランス大会で2位に入りグランプリシリーズで自身初となる表彰台にあがった山本草太選手は、「グランプリシリーズでのメダル獲得はうれしいがここからが本当のスタート。このNHK杯でもいい演技を求めたい」と話していました。

17日の練習については「今シーズンはプログラム後半のアクセルの成功確率が少し悪かった。今回のNHK杯ではそこを決めたいと思っている。ほかのジャンプは安定してきていてきょうの練習も感覚はよかった」と手応えを感じていました。

大会に向けては「グランプリファイナルも1つの目標ではあるが、まずは自分がやるべきことをやっていきたい」と気を引き締めていました。

友野一希 「メダルにもこだわりたい」

今月初めのフランス大会で3位に入った友野一希選手は、NHK杯に向けて調整してきたということで「コンディションはいつも通り」と笑顔で話しました。

そして「フランス大会のあと一度しっかりと体を休めてそこから徐々に、気になっていた4回転トーループなどを重点的に練習してきた」と話していました。

今回のNHK杯については「自分が今まで意識してきたメンバー、ずっと戦ってきたメンバーがそろっている。レベルもすごく高いものになると思う」としたうえで、「その中でしっかりと勝ちきりたい。今回はメダルにもこだわりたいし、ファイナルに向けて自分の実力を出し切りたい」と力強く話していました。

【女子シングル】

坂本花織「表現力の部分などは伸びたかなと」

坂本花織選手は、最終調整を終えたあと、現在の状態について報道陣から尋ねられると「グランプリシリーズ初戦のアメリカ大会からあまり変わっていないか、ちょっと変わったかくらいだ。表現力の部分などは振付師とメッセージのやり取りをして、修正ポイントを教えてもらったので、ちょっと伸びたかなと思う」と答えていました。

そして、具体的に練習した部分について「アメリカ大会はフリーのステップを失敗してしまったので、ステップを重点的にやっている。ショートもリズミカルにステップをしないといけず、どうしてもステップのターンでとんでしまう傾向があったのでそこを練習した」と話していました。

また、リンクの感触については「すごく滑りやすかった。7年前にここで全日本選手権をしたのを思い出した」と懐かしそうに振り返っていました。

18日の本番に向けては「グランプリファイナル出場のチャンスが目の前に来ているので、NHK杯でしっかりつかみ取れるように頑張りたい」と話していました。

渡辺倫果「プレッシャーを楽しみながら終えられたら」

先月行われたカナダ大会でグランプリシリーズ初出場、初優勝を果たした渡辺倫果選手は、「カナダ大会優勝という形でこの場に来られたことは自信になっている。その反面、グランプリファイナル出場を視野に入れると不安やプレッシャーが出てくると思うので、NHK杯は今まで感じたことのないこのプレッシャーを楽しみながら終えられたらいい」と話していました。

17日の練習で繰り返して確認していたトリプルアクセルについては「きょうは少しずつ調子を上げていって最後に100%で跳べた」と話していました。

大会本番に向けては「トリプルアクセル込みでミスの無い演技をしたい気持ちはあるが、トリプルアクセルにとらわれすぎてほかの部分がおろそかになってはいけない。優勝したカナダ大会を超えられるような演技がこの場でできればいいと思う」と笑顔で締めくくりました。

住吉りをん「大舞台に立っていることで不思議な感覚に」

今回、NHK杯に初めて出場する女子シングルの住吉りをん選手は、前日練習を終えたあと取材に応じ「今までテレビで見ていた大舞台に自分が立っていることで不思議な感覚になっている」と話しました。

グランプリシリーズは初出場で3位に入った今月初めのフランス大会に続いての出場で、「フランス大会のあとなかなか休めず疲れが残ってしまったが、一日しっかりオフを取って、少しずつ調子が上がってきた」と話していました。

練習で挑戦していた4回転トーループについては「きれいに降りたのはないが3本立つことができた。自分の中では方向や軸の作り方は悪くなかった。あと少しの調整できれいに降りることができると思う」と話し、手応えを感じている様子でした。

大会に向けては「フランス大会は初めてのグランプリシリーズで自分に負荷をかけずに楽しむことができた。今回はグランプリファイナル出場のチャンスも見えていると思うが、自分に期待しすぎずフランス大会と同じように楽しむことを目標に滑りたい」と話していました。

【ペア】

三浦璃来「できることをすれば結果はついてくる」

ペアに出場する三浦璃来選手と木原龍一選手は、本番のリンクで最終調整を行ったあと取材に応じ、三浦選手は「ロングフライトのあとで調整は難しいところがあるが、あすはきょうよりもよくなっているはずだ。氷は滑りやすいし、きょうの調整では技術的なところを重点的に確認した。自分たちのできることをすれば結果はついてくるはずなので頑張っていきたい」と話していました。

木原龍一「感謝の気持ち持ち楽しみながら滑りたい」

また、木原選手は先月、日本選手どうしのペアとして初めてグランプリシリーズ初優勝を果たしたカナダ大会より準備ができているとしたうえで、「三浦選手とはこの大会でグランプリシリーズにデビューした。今こうして世界と戦えるのがうれしい。感謝の気持ちを持って楽しみながら滑りたい」と話していました。

【アイスダンス】

村元哉中「早く演技したい気持ち」

アイスダンスに出場する村元哉中選手と高橋大輔選手は、前日練習で動きを確認したあと取材に応じました。

村元選手は「成長したことを実感しているので早く演技したい気持ちだ。今シーズンは全日本選手権優勝を目標にしていて、NHK杯では次につながるように納得のいく演技がしたい」と話していました。

高橋大輔「今できる精いっぱいのことを」

また、高橋選手は「アイスダンス選手としてデビューしたときは3年目を迎えるとは思っていなかった。NHK杯に戻ってきて、成長した姿を見せることができるのをうれしく思う。少しずつでもいいので、前の大会の演技よりもよくしていきたい。そのために一つ一つ、今できる精いっぱいのことをできるように頑張りたい」と話していました。

小松原美里「届けるスケートを」

アイスダンスに出場する小松原美里選手とティムコレト選手は練習のあと取材に応じ、小松原選手は「ケガで今回と同じ札幌で開催された2019年のNHK杯は出られずすごく残念だったので、今回出場できるのがどれほど特別なことか、大切なことかと感じられている。“届けるスケート”。“皆さんに覚えてもらえるようなすてきなスケート”を目標に頑張りたい」と話していました。

ティム コレト 「チャレンジを届ける」

また、ティムコレト選手は「グランプリシリーズ第2戦のカナダ大会からいろんな所をブラッシュアップしてきた。今シーズンのプログラムは、自分の中でまだ出来ていない感じでチャレンジしている。特にフリーダンスはチャレンジしているので皆さんに届けるために頑張りたい」と意気込んでいました。