
岸田首相と習近平国家主席 対面での会談終わる【随時更新】
岸田総理大臣は、訪問先のタイで、中国の習近平国家主席と対面ではおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談を行いました。日本周辺での中国の軍事活動に深刻な懸念を伝える一方、建設的で安定的な関係の構築の重要性を強調し、両首脳は、首脳レベルも含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行うことで一致しました。
会談のポイントや現地の様子など、随時更新でお伝えします。
(日本とタイは2時間の時差があります)
21:50すぎ 岸田首相 首脳会談後のコメント
岸田総理大臣は日中首脳会談のあと記者団に対する取材に応じ、次のようにコメントしました。

【対面での外交がいかに大事かを改めて感じている】
岸田総理大臣は、日中首脳会談のあと記者団に対し一連の外交日程について「久方ぶりに対面での国際会議の開催となり、対面で話をすることが外交でいかに大事かを改めて感じている。相手の表情や雰囲気など文字に表れないさまざまなやり取りがお互いの信頼関係の構築にもつながる」と述べました。
そのうえで「国際情勢が大きく変化する中で法の支配に基づく国際秩序を維持していくことの大切さを日本としても改めて訴え、多くの国々から同じ思いだという反応を聞くことができた。手応えは十分感じている」と述べました。そして「多くの『中間国』と言われる国々、アフリカや南米といった『グローバルサウス』と言われる国々に、国際秩序を守っていく大切さをこれからもしっかり働きかけていきたい」と述べました。
岸田総理大臣は、日中首脳会談のあと記者団に対し一連の外交日程について「久方ぶりに対面での国際会議の開催となり、対面で話をすることが外交でいかに大事かを改めて感じている。相手の表情や雰囲気など文字に表れないさまざまなやり取りがお互いの信頼関係の構築にもつながる」と述べました。
そのうえで「国際情勢が大きく変化する中で法の支配に基づく国際秩序を維持していくことの大切さを日本としても改めて訴え、多くの国々から同じ思いだという反応を聞くことができた。手応えは十分感じている」と述べました。そして「多くの『中間国』と言われる国々、アフリカや南米といった『グローバルサウス』と言われる国々に、国際秩序を守っていく大切さをこれからもしっかり働きかけていきたい」と述べました。
【林外相の訪中を調整】
「あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図るということは一致しておりその中で中国側から招請されている林外務大臣の訪中については今後調整を進めていくということで中国側と一致した」と述べました。
「あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図るということは一致しておりその中で中国側から招請されている林外務大臣の訪中については今後調整を進めていくということで中国側と一致した」と述べました。
【安全保障分野の意思疎通の強化で一致した】
「私から、尖閣諸島を含む東シナ海情勢や中国による弾道ミサイル発射などの軍事的活動について深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した。同時に、安全保障分野の意思疎通の強化で一致した」と述べました。
「私から、尖閣諸島を含む東シナ海情勢や中国による弾道ミサイル発射などの軍事的活動について深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した。同時に、安全保障分野の意思疎通の強化で一致した」と述べました。
【日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めた】
「日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めた。同時に、経済や国民交流に関して、環境・省エネを含むグリーン経済や医療、介護、ヘルスケアの分野など双方の利益になる形で協力を後押しするとともに、青少年を含む国民交流を共に再活性化させていくことで一致した。そのうえで、関連の閣僚間の対話を再開させることでも一致した」と述べました。
「日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めた。同時に、経済や国民交流に関して、環境・省エネを含むグリーン経済や医療、介護、ヘルスケアの分野など双方の利益になる形で協力を後押しするとともに、青少年を含む国民交流を共に再活性化させていくことで一致した。そのうえで、関連の閣僚間の対話を再開させることでも一致した」と述べました。
【率直かつ突っ込んだ議論ができた】
「日中の両首脳が対面で会談するのはおよそ3年ぶりであり、私と習主席との初めての対面での会談だったが日中関係の大局的な方向性とともに、課題や懸案、協力の可能性について率直かつ突っ込んだ議論ができた」と述べました。
そのうえで「会談では、私から現在、日中関係はさまざまな協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しているが、日中関係は地域と国際社会の平和と繁栄にとってともに重要な責任を有する大国であり、『建設的かつ安定的な日中関係』の構築という方向性を双方の努力で現実のものとしていくことが重要だと述べ、こうした基本的な考え方について習主席との間で一致を見た」と述べました。
「日中の両首脳が対面で会談するのはおよそ3年ぶりであり、私と習主席との初めての対面での会談だったが日中関係の大局的な方向性とともに、課題や懸案、協力の可能性について率直かつ突っ込んだ議論ができた」と述べました。
そのうえで「会談では、私から現在、日中関係はさまざまな協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しているが、日中関係は地域と国際社会の平和と繁栄にとってともに重要な責任を有する大国であり、『建設的かつ安定的な日中関係』の構築という方向性を双方の努力で現実のものとしていくことが重要だと述べ、こうした基本的な考え方について習主席との間で一致を見た」と述べました。
【ロシアの核使用許さずで一致】
「ロシアがウクライナで核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態であり、核兵器を使用してはならず、核戦争を行ってはならないとの見解で習主席と一致した」と述べました。
「ロシアがウクライナで核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態であり、核兵器を使用してはならず、核戦争を行ってはならないとの見解で習主席と一致した」と述べました。
【関係構築への良いスタートになった】
「日中両国は、隣国であるがゆえにさまざまな問題もあるが、本日の会談も踏まえ『建設的かつ安定的な関係の構築』に向け、引き続き首脳レベルも含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことで一致した」と述べました。
そのうえで「きょうの会談は『建設的かつ安定的な日中関係』を構築していくための対話を進めていく良いスタートになった」と述べました。
「日中両国は、隣国であるがゆえにさまざまな問題もあるが、本日の会談も踏まえ『建設的かつ安定的な関係の構築』に向け、引き続き首脳レベルも含め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことで一致した」と述べました。
そのうえで「きょうの会談は『建設的かつ安定的な日中関係』を構築していくための対話を進めていく良いスタートになった」と述べました。
21:20すぎ 日中首脳会談終わる
会談は、開始からおよそ30分後、さきほど、日本時間の午後9時20分すぎ、終わりました。
20:50 岸田首相「建設的かつ安定的な日中関係の構築を」

午後8時50分、習近平国家主席に続いて、岸田総理大臣は会談の冒頭、次のように述べました。
「今回、習国家主席と初めて対面で会談を実施することとなりました。習主席とは昨年10月、初めて電話会談をさせていただきました。大変有意義な意見交換を通じ、建設的かつ安定的な日中関係の構築という大きな方向性について一致することができました。その後、国交正常化50周年を迎える中新型コロナの影響はあるものの両国間の交流は着実に回復されてきています。
50周年記念日の9月29日に習主席との間で非常に良いメッセージを交換することができました。現在、日中関係は様々な協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しています。同時に、日中両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとって、ともに重要な責任を有する大国であります。建設的かつ安定的な日中関係の構築を、双方の努力により加速していくことが重要であると思います。本日は習主席との間で、そのための率直な意見交換を行うことを楽しみにしています」
「今回、習国家主席と初めて対面で会談を実施することとなりました。習主席とは昨年10月、初めて電話会談をさせていただきました。大変有意義な意見交換を通じ、建設的かつ安定的な日中関係の構築という大きな方向性について一致することができました。その後、国交正常化50周年を迎える中新型コロナの影響はあるものの両国間の交流は着実に回復されてきています。
50周年記念日の9月29日に習主席との間で非常に良いメッセージを交換することができました。現在、日中関係は様々な協力の可能性とともに多くの課題や懸案にも直面しています。同時に、日中両国は、地域と国際社会の平和と繁栄にとって、ともに重要な責任を有する大国であります。建設的かつ安定的な日中関係の構築を、双方の努力により加速していくことが重要であると思います。本日は習主席との間で、そのための率直な意見交換を行うことを楽しみにしています」
20:46すぎ 習近平国家主席「両国は重要な国」

中国の習近平国家主席は、会談の冒頭、「ことしは両国の国交正常化から50年だ。両国はアジアと世界にとって重要な国で、多くの共通の利益や協力する空間がある。
両国関係の重要性は変わっていないし、今後も変わることはない。私はあなたとともに政治家としての責任を果たし、戦略的な観点から両国関係の大きな方向性を把握して新しい時代の要求にあった両国関係を構築したい」と述べました。
両国関係の重要性は変わっていないし、今後も変わることはない。私はあなたとともに政治家としての責任を果たし、戦略的な観点から両国関係の大きな方向性を把握して新しい時代の要求にあった両国関係を構築したい」と述べました。
20:46 笑顔で握手交わす

午後8時46分、日中両国の首脳は笑顔で握手を交わしました。
その後、対面ではおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談が始まりました。
その後、対面ではおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談が始まりました。

19:00すぎ 記者が伝える会談の焦点

日本と中国からそれぞれ同行して取材にあたっている記者に聞きます。
Q. 会談の焦点は?
[政治部・森田あゆ美記者]
A.対話の継続を含め首脳どうしで関係構築に向けた機運を高められるかが焦点です。と言いますのも、日中両国は、8月に台湾をめぐる米中の緊張の高まりを受けて外相会談が見送られ、トップどうしの対話の機会を設けることすら困難な状況が続いてきました。
それだけに政府内からは「まずは、会って話すことに意義がある」という声も出ています。岸田総理は、尖閣諸島をめぐる問題などではけっして譲歩しない一方、経済や気候変動対策といった分野で協力への道筋を探ることになります。
Q. 会談の焦点は?
[政治部・森田あゆ美記者]
A.対話の継続を含め首脳どうしで関係構築に向けた機運を高められるかが焦点です。と言いますのも、日中両国は、8月に台湾をめぐる米中の緊張の高まりを受けて外相会談が見送られ、トップどうしの対話の機会を設けることすら困難な状況が続いてきました。
それだけに政府内からは「まずは、会って話すことに意義がある」という声も出ています。岸田総理は、尖閣諸島をめぐる問題などではけっして譲歩しない一方、経済や気候変動対策といった分野で協力への道筋を探ることになります。
Q. 中国側はどう出てくるか?
[中国総局・藤田正洋記者]
A.習主席は、日本との関係をまずは重視する姿勢を示すとみられます。アメリカと対立し、「ゼロコロナ」政策などの影響で経済の回復が遅れる中、これ以上、日中関係を悪化させるのは得策ではないとの考えがあると思います。
一方で、中国は、日本が、アメリカなどと連携し台湾への関与を強め、経済や安全保障などの分野で中国を包囲しようとしていると強く警戒しています。特に台湾は、中国にとって一歩も譲ることができない「核心的利益」と位置づけていて習主席は、台湾への関与は容認しないと強く主張するものとみられます。
[中国総局・藤田正洋記者]
A.習主席は、日本との関係をまずは重視する姿勢を示すとみられます。アメリカと対立し、「ゼロコロナ」政策などの影響で経済の回復が遅れる中、これ以上、日中関係を悪化させるのは得策ではないとの考えがあると思います。
一方で、中国は、日本が、アメリカなどと連携し台湾への関与を強め、経済や安全保障などの分野で中国を包囲しようとしていると強く警戒しています。特に台湾は、中国にとって一歩も譲ることができない「核心的利益」と位置づけていて習主席は、台湾への関与は容認しないと強く主張するものとみられます。
Q. 台湾をめぐって日本側はどう臨む?
[政治部・森田記者]
A.岸田総理は、台湾海峡の平和と安定の重要性を習主席に直接、伝えるものとみられます。台湾情勢は日本の安全保障にも密接にかかわる、重大な懸案だからです。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻によって国際秩序に揺らぎが生じ、政府内では、中国が台湾に対して軍事的な圧力をさらに強めることへの警戒感が出ています。
日本としては、国際社会とも協調しながら、力による現状変更の試みは認められないと繰り返し訴え、中国に自制を促すことで地域の平和と安定を維持していきたい考えです。
[政治部・森田記者]
A.岸田総理は、台湾海峡の平和と安定の重要性を習主席に直接、伝えるものとみられます。台湾情勢は日本の安全保障にも密接にかかわる、重大な懸案だからです。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻によって国際秩序に揺らぎが生じ、政府内では、中国が台湾に対して軍事的な圧力をさらに強めることへの警戒感が出ています。
日本としては、国際社会とも協調しながら、力による現状変更の試みは認められないと繰り返し訴え、中国に自制を促すことで地域の平和と安定を維持していきたい考えです。
16:30すぎ 経団連十倉会長「会談は非常に意義ある」
対面ではおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談について、経団連の十倉会長は富山市で開かれた記者会見で次のように述べ、日中の経済面での関係性を踏まえて首脳会談の成果に期待を示しました。

「世界は中国なしではやっていけないし、中国も世界なしではやっていけない。とくに経済の分野ではサプライチェーンにしっかり入っている。お互いに価値観や国の立場が違うからこそ交流や話し合いの場が大事であり、日本も主体性を持って進めていくべきだ。今回の首脳会談は非常に意義のあるもので、これからも経済界や政治のリーダーなど、各層で交流を続けていくべきだと思う」
15:00ごろ 岸田首相タイのバンコクに到着
東南アジアを訪れている岸田総理大臣は、G20サミット=主要20か国の首脳会議などインドネシア・バリ島での一連の日程を終え、日本時間の午後3時ごろ、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれる最後の訪問国、タイのバンコクに到着しました。

バンコクでは、あす18日からの首脳会議に先立って、このあと17日夜、議長を務めるタイのプラユット首相と首脳会談を行ったのに続き、中国の習近平国家主席との首脳会談に臨みます。日中首脳会談は対面ではおよそ3年ぶりとなります。
岸田首相 ねらいは?会談の焦点は?
岸田総理大臣は、ことしが、国交正常化から50年という節目であることを踏まえ、中国との対話を継続しながら建設的で安定的な関係の構築を目指しています。
このため中国が沖縄県の尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返していることや台湾に軍事的な圧力を強めていることなどに対し、日本の主張を直接伝え、前向きな対応を求める方針です。
一方で気候変動対策などを念頭に両国の共通の課題には協力して取り組む姿勢も示すことにしていて、厳しい状況が続く日中関係を立て直す糸口が見いだせるかが焦点となります。
このため中国が沖縄県の尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返していることや台湾に軍事的な圧力を強めていることなどに対し、日本の主張を直接伝え、前向きな対応を求める方針です。
一方で気候変動対策などを念頭に両国の共通の課題には協力して取り組む姿勢も示すことにしていて、厳しい状況が続く日中関係を立て直す糸口が見いだせるかが焦点となります。
3年ぶりの対面会談前に日中関係は
2020年4月には習近平国家主席の国賓としての日本訪問が予定されましたが、新型コロナの感染拡大で延期され、実現しませんでした。
去年10月に岸田総理大臣が就任した際の電話会談では、岸田総理大臣が「建設的かつ安定的な関係をともに構築していかなければならない」と述べたのに対し、習主席も日中関係を発展させていくことに意欲を示しました。
しかし、沖縄県の尖閣諸島周辺海域では、中国の公船が領海侵入を繰り返しているうえ、ことし8月にはアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して行われた中国の軍事演習で、弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下するなど、日中関係は厳しい状況が続いています。
去年10月に岸田総理大臣が就任した際の電話会談では、岸田総理大臣が「建設的かつ安定的な関係をともに構築していかなければならない」と述べたのに対し、習主席も日中関係を発展させていくことに意欲を示しました。
しかし、沖縄県の尖閣諸島周辺海域では、中国の公船が領海侵入を繰り返しているうえ、ことし8月にはアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して行われた中国の軍事演習で、弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下するなど、日中関係は厳しい状況が続いています。

岸田総理大臣は13日のカンボジアでの東アジアサミットで、中国について日本の主権を侵害する活動を継続・強化していると名指しで批判しました。
日中国交正常化50年の節目 対話を探る
一方で、経済的な結び付きが強い、隣の大国との決定的な対立は避けたい考えで、日本政府は、中国側と事務レベルでの対話を継続してきました。
そして、ことしが国交正常化から50年という節目であることも踏まえ、両首脳の会談の機会を模索していました。
会談を前に岸田総理大臣は16日「日中関係はさまざまな可能性がある一方、課題や懸案もある。対話を進めていくにあたってスタートとなるような会談にしたい」と述べました。
そして、ことしが国交正常化から50年という節目であることも踏まえ、両首脳の会談の機会を模索していました。
会談を前に岸田総理大臣は16日「日中関係はさまざまな可能性がある一方、課題や懸案もある。対話を進めていくにあたってスタートとなるような会談にしたい」と述べました。