北朝鮮 弾道ミサイル発射 日本の領域 EEZへの飛来は確認されず
防衛省は、北朝鮮が17日午前10時47分ごろ、北朝鮮東岸付近から弾道ミサイル1発を北東方向に向けて発射したと午後0時29分に発表しました。
落下したのは朝鮮半島東岸付近と推定され、日本の領域やEEZ=排他的経済水域への飛来は確認されていないとしています。
防衛省は、ミサイルの種類などについて引き続き、情報収集と分析を進めています。
また、韓国軍の合同参謀本部によりますと、北朝鮮は17日午前10時48分ごろ、東部のウォンサン(元山)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したということです。
飛行距離がおよそ240キロ、高度はおよそ47キロで、音速の4倍にあたるマッハ4で飛行したとしています。
北朝鮮をめぐっては、日米韓3か国が、今月13日にカンボジアで行った首脳会談で、かつてない頻度で繰り返される弾道ミサイルの発射を非難するとともに、アメリカの核戦力などで日韓両国を守る「拡大抑止」を強化するなどとした共同声明を発表しました。
これについて、北朝鮮のチェ・ソニ外相は、ミサイル発射の1時間半余り前に談話を発表し「朝鮮半島情勢を一層、予測不可能な局面へ追い込む」と非難したうえで「アメリカが朝鮮半島や周辺地域で挑発的な軍事的活動を強化すればするほど、われわれの軍事的対応はさらに猛烈になる」として、けん制したばかりでした。
このため今回の発射には、北朝鮮に対し、連携して抑止力を強化している日米韓3か国への反発を示すねらいがあるとみられます。
政府 官邸対策室で情報収集や分析
政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室で情報収集や分析に当たっています。
岸田首相 情報の収集と分析などを指示
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は、情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。
松野官房長官「必要な情報の収集 分析や警戒監視を行う」
松野官房長官は、午前の記者会見で「報道については承知している。北朝鮮の軍事動向については、政府として平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めているが、事柄の性質上、個々の具体的な情報の内容について答えることは差し控える。引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携しながら必要な情報の収集、分析や警戒監視を行っていく考えだ」と述べました。
北朝鮮の最近のミサイル発射

北朝鮮は過去にない異例の頻度で発射を繰り返していて、先月に続いて今月も相次いで発射しています。
今月2日には、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた1発を含めて、20発余りのミサイルを発射しました。
3日にはピョンヤン(平壌)郊外のスナン(順安)付近からICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性がある1発と、ピョンアン南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射しました。
また、同じ日の夜には、内陸部のファンヘ(黄海)北道コクサン(谷山)付近から短距離弾道ミサイル3発を発射しました。
5日にも北西部のピョンアン北道トンリム(東林)付近から短距離弾道ミサイル4発を発射していました。
そして、9日にも西部のピョンアン南道スクチョン(粛川)付近から短距離弾道ミサイル1発を発射していました。
今月2日には、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えた1発を含めて、20発余りのミサイルを発射しました。
3日にはピョンヤン(平壌)郊外のスナン(順安)付近からICBM=大陸間弾道ミサイルの可能性がある1発と、ピョンアン南道ケチョン(价川)付近から短距離弾道ミサイル2発を発射しました。
また、同じ日の夜には、内陸部のファンヘ(黄海)北道コクサン(谷山)付近から短距離弾道ミサイル3発を発射しました。
5日にも北西部のピョンアン北道トンリム(東林)付近から短距離弾道ミサイル4発を発射していました。
そして、9日にも西部のピョンアン南道スクチョン(粛川)付近から短距離弾道ミサイル1発を発射していました。
北朝鮮をめぐる最近の動き
弾道ミサイルなどの発射を繰り返す北朝鮮に対し、日米韓3か国は連携して抑止力の強化を進めています。
アメリカはことし9月に続いて先月、原子力空母を日本海に再び展開し、日本や韓国とともに共同訓練を行いました。
先月17日から28日にかけては、韓国軍の定例の野外機動訓練が一部アメリカ軍も参加して実施されたほか、今月5日までの6日間、最新鋭のステルス戦闘機やB1爆撃機などを投入して米韓空軍による5年ぶりの大規模訓練が行われました。
また、韓国軍は、今月10日までの4日間、北朝鮮の核・ミサイルなどの脅威を想定した定例の指揮所演習を実施しました。
一方、北朝鮮は、先月9日までの15日間、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもとで、戦術核運用部隊の訓練を実施し、弾道ミサイルを7回発射しました。
また今月2日には、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えて落下した地対空ミサイル1発を含む20発余りのミサイルを発射しました。
その後も、3日から5日にかけて、ICBM=大陸間弾道ミサイル級の可能性がある1発を含む弾道ミサイルを相次いで発射し、北朝鮮軍は米韓空軍の大規模訓練に対応するための「軍事作戦」を断行したと発表していました。
アメリカはことし9月に続いて先月、原子力空母を日本海に再び展開し、日本や韓国とともに共同訓練を行いました。
先月17日から28日にかけては、韓国軍の定例の野外機動訓練が一部アメリカ軍も参加して実施されたほか、今月5日までの6日間、最新鋭のステルス戦闘機やB1爆撃機などを投入して米韓空軍による5年ぶりの大規模訓練が行われました。
また、韓国軍は、今月10日までの4日間、北朝鮮の核・ミサイルなどの脅威を想定した定例の指揮所演習を実施しました。
一方、北朝鮮は、先月9日までの15日間、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもとで、戦術核運用部隊の訓練を実施し、弾道ミサイルを7回発射しました。
また今月2日には、南北の分断後初めて、海上の境界線を越えて落下した地対空ミサイル1発を含む20発余りのミサイルを発射しました。
その後も、3日から5日にかけて、ICBM=大陸間弾道ミサイル級の可能性がある1発を含む弾道ミサイルを相次いで発射し、北朝鮮軍は米韓空軍の大規模訓練に対応するための「軍事作戦」を断行したと発表していました。
外務省幹部 米韓高官と対応協議 3か国で緊密連携を確認
北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受けて、外務省幹部がアメリカと韓国の高官と、それぞれ電話で対応を協議し、発射は国際社会への明白な挑戦だという認識を共有し、日米韓3か国で緊密に連携していくことを確認しました。
外務省の船越アジア大洋州局長は、17日に、アメリカ国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のキム・ゴン(金健)朝鮮半島平和交渉本部長と、それぞれ電話で対応を協議しました。
それぞれの協議では、17日も含め、北朝鮮が前例のない頻度とやり方で弾道ミサイルの発射を繰り返していることは、地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白で深刻な挑戦だという認識を改めて共有しました。
そのうえで、国連安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向けて、地域の抑止力強化や安保理での対応などについて、引き続き、日米韓3か国で緊密に連携していくことを確認しました。
外務省の船越アジア大洋州局長は、17日に、アメリカ国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のキム・ゴン(金健)朝鮮半島平和交渉本部長と、それぞれ電話で対応を協議しました。
それぞれの協議では、17日も含め、北朝鮮が前例のない頻度とやり方で弾道ミサイルの発射を繰り返していることは、地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であり、国際社会に対する明白で深刻な挑戦だという認識を改めて共有しました。
そのうえで、国連安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向けて、地域の抑止力強化や安保理での対応などについて、引き続き、日米韓3か国で緊密に連携していくことを確認しました。