野党・共和党が議会下院で多数派を奪還する見通しになったことを受けて、バイデン大統領は16日、声明を発表し「共和党員であれ、民主党員であれ、アメリカ国民のために私とともに働くことを望むなら、誰とでも協力する用意はある」として、共和党に対し党派を超えた協力を呼びかけました。
また、バイデン大統領は、激戦となった州で、おととしの大統領選挙の結果を受け入れない候補者たちが相次いで落選したことを踏まえ「先週の選挙では、アメリカの民主主義の力強さと回復力が示された。選挙を否定する人たちや政治的暴力などは強く拒絶され、人々の意志が勝るということがはっきりと示された」として、民主主義の勝利だと強調しました。

米中間選挙 野党・共和党 議会下院で過半数獲得が確実 ABC
アメリカの中間選挙は野党・共和党が議会下院で多数派を奪還する見通しになりました。議会上院では、与党・民主党が主導権の維持を決めていて、当初予想されていた共和党の勢いを阻んだ形ですが、下院で大統領の政党と議会の多数派の政党が異なるいわゆる「ねじれ」の状態が生じることになり、バイデン大統領は今後、難しい政権運営を迫られる局面もありそうです。
アメリカで8日行われた連邦議会などの中間選挙は、上院の100議席のうち35議席と、下院の435議席すべてが改選され、現在も開票作業が続いています。
アメリカのABCテレビは、日本時間の17日午前、野党・共和党が下院で過半数の議席を獲得することが確実となり、多数派を奪還する見通しになったと伝えました。
下院では当初共和党の圧勝も予想されていましたが、与党・民主党が予想を上回る粘りを見せて激しい接戦に持ち込み、開票開始から8日がたつ中での大勢判明となりました。
共和党が下院で多数派となるのは4年ぶりです。
上院では民主党が主導権の維持を決めていて、バイデン政権は当初予想されていた共和党の勢いを阻んだ形ですが、下院で大統領の政党と議会の多数派の政党が異なるいわゆる「ねじれ」の状態が生じることになります。
今後、バイデン政権や民主党が進める法案や予算案が議会でとおりにくくなることも予想され、バイデン大統領は残り2年の任期中、難しい政権運営を迫られる局面もありそうです。
バイデン大統領 党派を超えた協力を呼びかけ
松野官房長官「日米関係に影響を及ぼすことはない」
松野官房長官は午後の記者会見で「アメリカ国内の選挙に関わる事項にコメントすることは基本的に差し控えるが、わが国としても関心を持って注視している。日米同盟は揺るぎなく、その重要性は民主党、共和党を問わず共通の認識が存在しており、選挙の結果が通商政策を含む日米関係に影響を及ぼすことはないと考えている」と述べました。