新型コロナ「第8波」AI試算 “「第7波」ピーク超えも” 名工大

新型コロナウイルスの「第8波」について、東京都では来週にかけて感染拡大が本格化し、新たな変異ウイルスの感染力が強い場合には年末から年始に1週間平均での1日の感染者数が「第7波」のピークより多い、およそ3万6000人にのぼる可能性があるとする、AI=人工知能を使った試算の結果を名古屋工業大学のグループがまとめました。

シミュレーションは、名古屋工業大学の平田晃正教授のグループが今月10日までの感染者数の推移のほか、ワクチンの効果、それに人の移動といったデータをもとに、「BQ.1」などの新たな変異ウイルスが増える前提で、AIを使って今後の感染状況を予測しました。

その結果、東京都では今週から来週にかけて感染者数が本格的に増え始めるとしていて、「BQ.1」などの感染力が「BA.5」の1.2倍で、これまでに感染したことによる免疫の効果がないという想定では、1週間平均で1日当たりの感染者数が来月半ばにおよそ3万人、来年1月中旬には「第7波」のピークを超えるおよそ3万6000人に上る予測になったということです。

また、来年1月中旬から2月上旬には、東京都内でコロナで亡くなる人は1日に20人余りになるとしています。

一方で、「BQ.1」などの感染力がこれまでと変わらず、免疫の効果がある程度、保たれるという想定では、感染者数のピークは来年1月中旬におよそ2万5000人になるという予測になりました。

平田教授は「『BQ.1』の特徴はまだよく分かっていないが、今できることはこれまでどおり換気やマスクの着用といった感染対策の徹底だ。感染が拡大する前にワクチンを接種したほうがよいと思うので、今が接種のタイミングではないか」と話しています。