ウクライナ 南部撤退のロシア軍兵士 住民装い残っているおそれ

ウクライナは、南部ヘルソン州の州都ヘルソンを奪還したあとも、ロシア軍の兵士が住民を装って残っているおそれがあるとして警戒しています。一方、ロシア軍は、ヘルソンからの撤退後、州内の別の拠点に部隊を再配置し、支配を維持するため防衛を強化しているという見方も出ています。

ウクライナの保安庁は、奪還した南部ヘルソン州の州都ヘルソンで、地元の住民を装って潜伏していたロシア軍の兵士を発見し拘束したと、14日にSNS上で発表しました。

拘束された人物は、軍服は着ていなかったということですが、ロシア軍の所属であることを認めているとしています。

この人物は、ヘルソンで破壊工作や情報の収集などの任務に当たっていたことが分かっているということです。

ウクライナの保安庁や警察は、奪還した土地にロシア軍の兵士などが住民を装って、まだ残っているおそれがあるとして警戒しています。

一方、イギリス国防省は15日、ロシア側は、州都ヘルソンからの撤退後、州の東部にあり、アゾフ海に面したヘニチェシクに統治機構だけでなく、軍の指揮部隊を再配置するとみられると指摘しました。

ヘニチェシクは、8年前にロシアが一方的に併合したクリミア半島から増援を受けられる位置にあるとして、イギリス国防省は、ロシア側は南部での支配を維持するため、防衛を強化しているという見方を示しました。

ウクライナ軍は、南部だけでなく、東部でも反転攻勢を強めたい考えで、15日、ルハンシク州やドネツク州での戦闘で、合わせて10か所でロシア軍を撃退したと強調し、今後、東部での戦闘も激しくなるとみられます。