COP27 ウクライナ環境相「ロシアの攻撃で2200以上の環境被害」

エジプトで開かれている気候変動対策の国連の会議「COP27」に参加しているウクライナのストリレツ環境保護・天然資源相は、ロシアによる軍事侵攻で2200以上の環境被害が確認され、攻撃によって多くの温室効果ガスが排出されていると訴えました。

ウクライナのストリレツ環境保護相は14日、COPの会場で記者会見を開き、ロシアによるウクライナ侵攻によって「2200以上の環境被害が確認されている」と主張しました。

具体的には、土壌や大気の汚染で378億ユーロ=5兆円以上の被害が出ていることや、攻撃による温室効果ガスの排出量は少なくとも3300万トンに上り、復興でもさらに4900万トンの排出が見込まれる、としていて、この責任はロシアが負うべきだと述べました。

そして「この戦争は環境を破壊しただけでなく、子どもたちの将来も破壊している」と話し、軍事侵攻を今すぐ止めるよう訴えました。

これに先立ってストリレツ環境保護相は日本の西村環境大臣と会談し「環境分野で多くの経験を持つ日本に支援していただきたい」と呼びかけました。

一方、西村大臣は「今回の侵攻によって環境に対しても非常に重大な悪影響が及んでいる」と述べ、ウクライナに対し環境分野での協力を進めていく考えを示しました。

日本は今後、攻撃で発生したがれきの処理など具体的な協力の方法について協議を進める方針です。