イラン 抗議デモ参加者1人に死刑判決 “公共の秩序乱した罪”
イランでスカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡し、これに抗議するデモが続く中、裁判所は、デモの参加者の1人に対し、公共の秩序や平和を乱した罪などで死刑判決を言い渡しました。
国連の人権問題の専門家は「デモを抑え込む手段として、死刑を利用することをやめるよう求める」と懸念を示していました。
イランではことし9月、スカーフのかぶり方が不適切だとして警察に逮捕された女性が死亡したことをめぐって抗議デモが広がり、2か月近くたった今も続いています。
ノルウェーに拠点を置く人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は、このデモで12日までに43人の子どもを含む少なくとも326人が治安当局に殺害されたとしています。
さらに、多くのデモ参加者が逮捕されていて、国営テレビは13日、国の安全保障に関わる事件などを裁く「革命裁判所」が参加者の1人に対し、政府の建物に放火したとして公共の秩序や平和を乱した罪などで死刑判決を言い渡したと伝えました。
被告には上訴する権利があるということです。
このデモをめぐり、死刑判決が出されたと伝えられるのは、今回が初めてです。
これに先立ち、11日には国連の人権問題の専門家16人が声明を出し「イランの当局に対し、デモを抑え込む手段として、死刑を利用することをやめるよう求める」と懸念を示していました。