ウクライナ 南部のヘルソン奪還も ロシア軍と東部で戦闘激化か

ウクライナのゼレンスキー大統領は、南部ヘルソン州の州都ヘルソンを訪れ、戦略的拠点の奪還を強調しました。
ウクライナ側は今後、東部の戦闘でも勢いをつけたい考えですが、ロシア軍はヘルソンから撤退させた部隊を東部に投入するとみられ、冬を迎える中、戦闘が激しくなるという見方が出ています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ロシア軍が部隊を撤退させた南部ヘルソン州の州都ヘルソンを訪れました。

そして国旗の掲揚式に参加して、奪還の任務に当たった兵士たちに謝意を示し、反転攻勢によって南部の戦略的拠点を奪還したことを強調しました。

また、ロシア軍によって破壊された電力や通信インフラの復旧を急ぐ考えを示しました。

ゼレンスキー大統領としては、ウクライナ軍が戦況の主導権を握るなか、今後、ウクライナ東部の戦闘でも支配された地域の奪還に向けて勢いをつけたい考えです。

一方、ロシア国防省は14日、東部ドネツク州の州都ドネツクの西部にあるパウリウカを掌握したと発表し、侵攻を継続する姿勢を示しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は13日「プーチン大統領は、ヘルソンから撤退させたロシア軍を東部に投入しドネツク州全域を占領することを条件に、ヘルソンからの撤退を認めたとみられる。動員された兵士も到着するため、今後数週間、戦闘が激化するだろう」と分析しています。

そのうえで「双方は現在、足場が悪い泥の中で戦っているが、冬場に入ると地面が凍結し、機動部隊が進軍しやすくなる。気温が下がるにつれて、戦闘は激化する可能性が高くなる」と指摘し、冬を迎えると戦闘は一層、激しくなるという見通しを示しました。