岸田首相 東アジアサミットに出席 中国を名指しで批判

カンボジアを訪れている岸田総理大臣は、ASEAN各国やアメリカ、中国、ロシアなどが参加する東アジアサミットに出席し、中国が東シナ海で日本の主権を侵害する活動を継続・強化していると名指しで批判しました。

岸田総理大臣は、訪問先のカンボジアで日本時間の13日午後、地域の安全保障について意見を交わす「東アジアサミット」に出席し、アメリカのバイデン大統領や中国の李克強首相、それにロシアのラブロフ外相も参加しました。

この中で岸田総理大臣は、中国について、沖縄県の尖閣諸島周辺など、東シナ海で日本の主権を侵害する活動を継続・強化しているなどと名指しで批判しました。

また、ことし8月に中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したことに触れ、台湾海峡の平和と安定も、地域の安全保障に直結する重要な問題だと指摘しました。

さらに、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況に対する懸念や南シナ海への海洋進出、地域における経済的威圧への強い反対を改めて表明しました。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、力による一方的な現状変更の試みは世界中のどこであっても認められず、核兵器による威嚇や使用は人類に対する敵対行為だとして、国際社会全体で明確なメッセージを出す必要があると訴えました。

このほか、北朝鮮が高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返していることは、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり看過できないとして、国際社会が一体となって国連安全保障理事会の決議を完全に履行させることが不可欠だと主張しました。