バンクシー ロシア軍の攻撃受けたウクライナで新たな作品制作

鋭い社会風刺画で知られる正体不明のアーティスト、バンクシーが、ロシア軍の攻撃を受けたウクライナの町で新たな作品を制作し、地元では世界的アーティストの作品に驚きや歓迎の声が上がっています。

バンクシーは11日、自身のSNSでウクライナの首都キーウ近郊のボロジャンカで新たな作品を制作したことを明らかにしました。

ボロジャンカはキーウから北西におよそ50キロにあり、イルピンやブチャなどとともにロシア軍の激しい攻撃を受け、多くの犠牲者が出た町です。

作品は攻撃で破壊された集合住宅の壁面に描かれていて、体操着を着た少女ががれきの上で逆立ちしているように見えます。

キーウから作品を見に訪れたという31歳の女性は「バンクシーがここまで来てロシアが何をしたか世界に示すことは、私たちの祖国にとって歴史的なことです」と話していました。

また、32歳の男性は「この絵はウクライナが決して諦めないことを象徴しています。私たちはすべてを元に戻して自由を手に入れ、よりよい国をつくるのです」と話していました。
近くでは、小さな子どもが柔道着を着た大人を投げ飛ばしているような絵も見つかり、欧米のメディアはこちらもバンクシーの作品ではないかと伝えていて、柔道の愛好家として知られるロシアのプーチン大統領がウクライナの抵抗を受ける姿を皮肉ったものではないかと、話題を呼んでいます。