このうち現地のブースでは、都内の素材メーカーが開発した太陽の光を遮断し、熱を逃がす放射冷却フィルムが紹介されています。
トラックのコンテナに貼ると、コンテナ内部の温度が何もしないものと比べて11度低くなるとされ、メーカーではテントや日傘への応用を検討しているということです。

COP27 パビリオンに日本のブース 脱炭素などの最新技術を展示
エジプトで開かれている気候変動対策の国連の会議「COP27」の会場では、参加国や国際機関などによるパビリオンが設けられ、脱炭素や気候変動による被害の軽減についての最新の取り組みが紹介されています。
パビリオンでは、日本のブースも設けられ、今回、国内の10の企業や団体などが現地で展示を行っているほか、「バーチャルパビリオン」としてオンラインでも20の企業などの技術が紹介されています。


担当する環境省は、パビリオンを通して国や企業などが一丸となって世界の脱炭素化や気候変動に貢献するというメッセージを発信していきたいとしています。
オンラインで紹介する「バーチャルパビリオン」も

COP27の開催に合わせ、脱炭素に向けた国内の企業などによる最新の技術をオンラインで紹介する「バーチャルパビリオン」も開かれています。
この中で、二酸化炭素の排出量を抑えるため石油を使った製品を減らそうとする動きが加速する中、植物や樹木に含まれる成分による新たなプラスチックを作る技術が紹介されています。
川崎市のベンチャー企業はこれまで用途がほとんどないとされてきた植物や樹木に含まれる「ヘミセルロース」という成分に着目しました。「ヘミセルロース」は植物の細胞壁に含まれる水に溶けにくい糖分の総称で、植物を構成する成分の20%から30%を占めています。
植物の40%から50%を占める「セルロース」という成分は、紙や衣料用の繊維などとして活用されている一方で、ヘミセルロースは抽出や加工が難しく、植物を原料に使う食品や製紙、飲料メーカーの工場などでは廃棄されたり燃やされたりしてほとんど活用されてこなかったといいます。
そこで、この企業では4年前から開発を始め、工場などで大量に発生する樹木や植物の廃棄物からヘミセルロースを抽出して活用する研究を進めてきました。
この中で、二酸化炭素の排出量を抑えるため石油を使った製品を減らそうとする動きが加速する中、植物や樹木に含まれる成分による新たなプラスチックを作る技術が紹介されています。
川崎市のベンチャー企業はこれまで用途がほとんどないとされてきた植物や樹木に含まれる「ヘミセルロース」という成分に着目しました。「ヘミセルロース」は植物の細胞壁に含まれる水に溶けにくい糖分の総称で、植物を構成する成分の20%から30%を占めています。
植物の40%から50%を占める「セルロース」という成分は、紙や衣料用の繊維などとして活用されている一方で、ヘミセルロースは抽出や加工が難しく、植物を原料に使う食品や製紙、飲料メーカーの工場などでは廃棄されたり燃やされたりしてほとんど活用されてこなかったといいます。
そこで、この企業では4年前から開発を始め、工場などで大量に発生する樹木や植物の廃棄物からヘミセルロースを抽出して活用する研究を進めてきました。

こうしてできたのが「生分解性バイオプラスチック」で、微生物の働きにより最終的には水と二酸化炭素に分解されます。デンプンを多く含むトウモロコシやサトウキビなどから作られた一般的なバイオプラスチックよりも分解にかかる時間が短く、海に流出した場合でも90%以上が100日で分解されるのが特徴で、海洋プラスチックごみの削減にもつながるとしています。
一方、普及に向けてはコストの高さが課題で、現在、国内外の50以上の取引先と量産に向けて交渉を進めているということです。
この企業によりますと、植物由来のプラスチックの中でもヘミセルロースを原料とするものは国内では先行事例がないということで、今回のCOPでの展示を機に世界に発信していきたとしています。
開発を手がける事業革新パートナーズの茄子川仁 社長は「製造の在り方そのものを変えないと二酸化炭素を根本から減らすことには行き着きません。石油から植物の原料に変えるバイオプラスチックの製造技術を高めることが世界的にも必要だと思うので、そこにこだわっていきたい」と話していました。
一方、普及に向けてはコストの高さが課題で、現在、国内外の50以上の取引先と量産に向けて交渉を進めているということです。
この企業によりますと、植物由来のプラスチックの中でもヘミセルロースを原料とするものは国内では先行事例がないということで、今回のCOPでの展示を機に世界に発信していきたとしています。
開発を手がける事業革新パートナーズの茄子川仁 社長は「製造の在り方そのものを変えないと二酸化炭素を根本から減らすことには行き着きません。石油から植物の原料に変えるバイオプラスチックの製造技術を高めることが世界的にも必要だと思うので、そこにこだわっていきたい」と話していました。