ローマ教皇と昭和天皇が交わした複数の親書 バチカンに保管

戦後、日本が主権を回復した1952年にローマ教皇と昭和天皇が交わした複数の親書がバチカンに保管されていることが分かりました。教皇が日本の主権回復を祝ったのに対して、昭和天皇が感謝の意を示した内容などが含まれていて、国際政治史に詳しい専門家は、戦後の両国の関係を研究するうえで貴重な史料だとしています。

保管されていたのは、1952年にローマ教皇のピウス12世と昭和天皇が交わした複数の親書で、国際政治史が専門の日本大学の松本佐保教授が、ローマ教皇庁があるバチカンの使徒文書館でおととし公開された機密文書を調査して確認しました。

このうち、1952年10月にピウス12世が昭和天皇に宛てた親書では、この年の4月にサンフランシスコ平和条約が発効して日本が主権を回復したことや、当時、皇太子の上皇さまの成年式などが行われることを祝うことばが記されています。

これに対する昭和天皇の親書には、「祝意に対し、わが皇室並びに日本国民の深厚な感謝の意を表します」などと記されています。

「昭和天皇実録」によりますと、昭和天皇は太平洋戦争が始まる2か月前の1941年10月に、「戦争終結の手段を最初から十分に考究する必要があり、そのためにはローマ教皇庁と親善関係を樹立する必要がある」などと述べたとされています。

松本教授は、「昭和天皇とローマ教皇が終戦後にやり取りをしていたことは歴史的な経緯から推測されてはいたが、実際にそれが確認できる史料が見つかったことは、戦後の両国の関係を研究するうえで意義が大きい」と話しています。

松本教授は12日、都内で開かれる日本とバチカンをテーマにしたシンポジウムで、これらの親書について発表することにしています。