「老化細胞」をがん免疫療法の手法で除去 マウス実験で成功

年齢を重ねるごとにたまり、体の機能の低下に関わるとされる「老化細胞」をがんの免疫療法と同じ方法で取り除くことに、マウスの実験で成功したと東京大学などの研究グループが発表し、老化に伴う病気の治療の研究につながるのではないかと期待されています。

研究結果は東京大学医科学研究所の中西真教授らのグループが、科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。

老化細胞は年齢を重ねる中で、分裂しなくなった細胞で、通常は免疫によって取り除かれます。

ただ、一部は免疫を逃れて蓄積することが知られていて、研究グループはマウスの老化細胞では、免疫の攻撃にブレーキをかける役割を果たす「PD-L1」というたんぱく質が、およそ10%の細胞でみられることを突き止めました。

そして、年老いたマウスにこのたんぱく質の働きを止める抗体を投与すると、免疫が活性化され、老化細胞がおよそ3分の1に減ったほか、握力が1.5倍程度になるなど、老化に伴う症状の改善も確認できたということです。

この抗体は、4年前にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の研究を元に、がん免疫療法の薬「オプジーボ」として実用化されています。

研究グループは老化に伴う病気の治療の研究にもつながる成果だとしていて、中西教授は「今後、人での効果も調べられるよう検討していきたい」と話しています。